DOSHISHA WOMEN’S COLLEGE LABORATORY MAGAZINE
Lab mag. ゼミの学びを知るWeb Magazine

ファッションにできることを、
知って、深めて、表現していく。

被服造形研究室
生活科学部人間生活学科

Lab mag. Doshisha Woman’s College of Liberal Arts | Seminar Introduction

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Laboratory Profile -ゼミについて

人間生活学科 被服造形研究室 Faculty of Human Life and Science | Department of Human Life Studies

個々のアイデンティティや社会に向けて、
ファッションが発する力を学ぶ。

人のくらしに関する幅広い学びから得た知識を「被服」に集約させ、デザインはもちろん、ものづくりの意義や表現の可能性を追求し、ファッションが人や社会に与える影響を考えていく研究室です。学生たちはファッションを取り巻く歴史や、デザイナーが作品に込めた想いの読み解き、布地を使った表現技法、製作ノウハウを学びます。研究室活動の集大成となるのは自分でコンセプト策定・デザインを手がけた作品の製作。論文も併せて執筆することで、ファッションの力を用いた社会課題の解決をめざします。

Teacher Profile

藤本 純子 准教授 Associate Professor Junko Fujimoto

専門は、近現代の服飾デザイン。欧米の影響を色濃く受けた明治、大正、昭和初期の日本において、きものの模様に洋風なデザインやモチーフを取り入れたり、洋裁を導入したりする流れが起きたファッション界の様相を探る。19-20世紀の西洋服の復元や伝統的な素材を活かした作品制作に携わった経験を持ち、被服造形に関する美意識や技術の伝承に関心を持っている。

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What’s Lab Can Do? どんなことをするの?

  • Lab CAN 1 ファッションが持つ力の深層を知るため、
    デザイナーたちの想いや被服の歴史を紐解く。

    古くから人間と共にある「被服」。長い時間の中で、「被服」が持つ意味や影響力は多様に進化してきました。保護や防寒といった機能性を超えて、ファッションが持つ力を知るため、研究室ではデザイナーの生涯やファッション史を学ぶことにも重きを置いています。学生たちは興味のあるデザイナーの歩みや、19世紀の女性ファッションの変遷を調査。「被服」に宿る想いの深さや、女性のエンパワーメントに貢献してきた歴史、時代ごとの流行の移り変わりを知りながら、ファッションを深く理解します。

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  • Lab CAN 2 WHITE WORKで、
    表現の多様性を体感。

    知識のインプットと並行して、デザイン力や制作ノウハウの学習もスタート。特に、白のみで被服を表現する「WHITE WORK」では、表現の多様性を体感します。「WHITE WORK」はいくつかの課題を組み合わせたシリーズワークとして構成されていますが、その中でも、多くの学生が心に残っていると話すのが「ファブリックワーク」です。この課題で学生たちは、配られた6種の白い布地に対して、白い糸や原毛を用いたステッチやニードルパンチ、糸を抜いたり、毛羽立たせたりする簡易な造形加工を施していきます。小さなカンバスに限定的な表現を施す課題ですが、出来上がりは千差万別。この作業を通じて、学生たちは手を加えることで、同じ白でも限りない表現が可能となり、それぞれの感性を反映した魅力あるものを造りだせるのだという気づきを得ていくのだそうです。

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  • Lab CAN 3 京都の伝統にふれるフィールドワークで、
    “ホンモノ”から、学びを得る。

    研究室では、京都という地の利を活かし、フィールドワークも活発に実施。学生たちは、被服の材料となる伝統ある織物や染色などの工房を訪ねます。2022年度には、パリコレ作品も手掛ける手捺染の染工房で、職人さんから直接レクチャーを受ける機会を設けました。職人さんの話や制作体験を通じて“ホンモノ”にふれ、感性を磨くと同時に、業界の実情や課題も実感できるのが、フィールドワークの利点。ここから得た知見を生かして、西陣織や真綿、切箔などをテーマに卒業制作・論文に取り組んだ卒業生もいます。

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  • Lab CAN 4 培ってきたデザインへの眼差し、
    社会への想いを、作品に込めていく。

    4年次からは卒業制作・卒業論文に取り掛かります。単に斬新なもの、おしゃれなものを創るのではなく、「被服」を通して学生が自らの意志を表明したり、社会課題に光を当てたりすることが、研究の大目的。そのため、テーマ選びは慎重に行われます。テーマ選定にあたって、学生たちは藤本先生との面談を複数回実施。「独りよがりな主張にならないか」「自分の作品として自信を持って制作に臨めるか」など、議論を重ねることで、自分らしいメッセージを発信できる研究テーマを見出していきます。

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Voice - Seminar Student Interview - ゼミ生インタビュー

  • VOICE 01 VOICE 01

    ファッションへの愛と課題感、どちらの視点も将来に役立てたい。

    この研究室に入って、ファッションのポジティブな面だけでなく、業界が抱える「大量生産・大量消費」という課題点にも、目を向けることができるようになりました。現在は1960年代に「大量消費」へのアンチテーゼとして始まったムーブメント「ヒッピー文化」に着目して研究を進めています。具体的にはヒッピーファッションの代名詞であるデニムを再構築することを目的に、不要になったデニムで作品を制作中。卒業後もアパレル企業に就職する予定なので、この場所で学んだファッションを通して社会を見つめる目線を失わず、意志や意義を持って、衣服を世の中に届けていきたいです。

  • VOICE 02 VOICE 02

    自分なりの表現のかたちを、実際に着用して、楽しめる。

    裁縫やものづくりは好きだったものの、研究室配属直後は「自分に、0から1をつくりだすようなデザイン・制作ができるだろうか」、という不安を持っていました。でも、WHITE WORKやファブリックワークを通して、「元あるものを改変・改良するという表現もあるんだ!」と気づき、一気に制作を楽しめるように。もともと興味を持っていた「和装」を題材に「簡単に脱ぎ着ができる卒業袴」を制作しています。自分では着られない、しめつけが苦しいといった和装の課題を解決する袴をつくった上で、実際に自分の卒業式で着用することが目標。楽しい思い出として研究をしめくくりたいです。

Album ゼミの日常風景を、のぞいてみよう!

Calendar スケジュール

3年次生

  • 4月
    ゼミ配属・オリエンテーション
  • 5月
    デザイン発想のワーク
  • 6月~7月
    デザイン表現のワーク。作品展示「WHITE WORK展」
  • 9月~10月
    デザイナー研究
  • 11月
    歴史衣装研究
  • 12月
    フィールドワーク
  • 1月~3月
    卒論テーマの決定

4年次生

  • 4月
    情報収集、研究手法の検討
  • 5月~6月
    調査分析・作品試作
  • 7月~10月
    中間発表・作品制作
  • 11月~1月
    卒業論文の執筆・作品展示
  • 2月
    論文発表
  • 3月
    卒業