医療薬学科 薬物治療学研究室 Faculty of Pharmaceutical Sciences/Department of Clinical Pharmacy
細胞レベルの実験・分析・考察を繰り返し、
難治性がん治療のヒントを探る。
研究室が主に研究対象としているのは、「トリプルネガティブ乳がん」など、現代の医療技術では特に治療が難しいとされているがん細胞。病院薬剤師や研究者をめざしている学生たちが集まって、日々細胞レベルの実験に取り組んでいます。学生たちは日々の実験に加え、最新情報をキャッチするための海外文献調査、学会発表に向けた活動にも挑戦。「自分が導き出した研究結果で、難治性の乳がん治療に新たな光を当てることができるかもしれない」。そんな想いをモチベーションに、濃い研究生活を送っています。
Teacher Profile
𠮷川 清次 教授 Professor Yoshikawa Kiyotsugu
医学部卒業後、外科医として担当したがん患者さんと、厳しく指導してくれた外科の上司の先生に感化され、大学に戻って癌の基礎研究を開始。腫瘍内科医、産学連携・創薬研究、海外留学、製薬企業勤務、医学・薬学・看護学・臨床検査学教育など、さまざまな経験を積み、現在に至る。「自分の原点にあるのは病院で出会ったがん患者さんたち」という想いを大切に、次世代の薬物治療学の教育・研究両面での確立をめざしている。
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生きている細胞を扱うなかで、
忍耐強さが身についていく。がん細胞や骨細胞などの「生きた研究素材」を取り扱うのが、この研究室の特徴です。特定の試薬で刺激を与えたり、がん細胞の環境要因を変えた際の反応を見たり。こういった実験過程を、細胞が元気なうちに行うことが、研究の出発点となります。配属された学生には、吉川先生や同じ研究テーマに取り組むチームの先輩たちが、適切に細胞を培養する方法や、スピーディに実験を完了させるスキルを丁寧に指導。周囲の助けを借りながら実験を繰り返すうちに、だんだんと自分自身で段取りを組む力が伸びていくそう。実験そのものはもちろん、分析結果やそれに対する考察も毎日記録し、こつこつと続けることで実力を磨いていくのが、研究室のスタイルです。
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最新情報をキャッチするために、
英語の文献も積極的に調査。現代の医療では治療が難しい病を見据えているからこそ、研究室ではさまざま情報にアンテナを張ることが求められます。乳がんなどの治療法・理論の研究は日進月歩で発展している分野。そのため、学生たちは最新情報をキャッチするべく、英語で発表された海外の論文を読むことにも積極的です。とはいえ最初のうちは、難しい用語が並ぶ文献に悪戦苦闘する学生がほとんど。難解な部分は、海外経験が長い吉川先生のサポートを得ながら読解を進めます。諦めずに何本も論文を読むことで、専門用語や科学用語が理解できるようになり、文献の情報を土台にして、研究に新たな手法やアイディアを取り入れることが可能になっていきます。
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意外な視点を得るために、
学会発表に挑戦する学生も。学会発表にチャレンジする学生が多いのも、研究室の特徴のひとつ。学会に参加した学生は、「同じメンバーで研究を行っていると、考え方や方針の柔軟性が失われることも。学会では『そんなことを聞かれるんだ!』という意外な質問が飛び出し、次の研究につながりました」と語ります。日々の実験をあらゆる方向から眺める、海外の文献を読む、そして学外の研究者と交流する。そうやって常にフレッシュな視点で活動に取り組むことが、研究を前進させるカギ。自分たちが行った研究が、難治性のがんに苦しむ患者さんの希望になる日をめざし、学生たちは今日も、内容の濃い研究活動に奮闘します。
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忙しいからこそ、限られた時間で最大の成果を上げられるように。
乳がんは、女性ならではの病気。自分自身も女性だからこそ、乳がん治療の専門知識を持った病院薬剤師になりたい、と思ってこの研究室を選択しました。実験やその準備、分析・考察など、なにかしらのタスクが常にあるのが、この研究室の特徴。課題や実習、試験に向けた勉強もあるので、配属直後は忙しさに悩んだこともありました。「このままじゃだめだ」と思った私は、作業をすべて棚卸して整理し、時間を有効活用するルールを設定。限られたリソースをうまく使い、きちんと成果を得る。大変さを乗り越える過程で、社会人に必要な考え方を身につけられたと感じています。
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研究が好きな気持ちを、思い切り発揮できる環境。
実験や分析が好きだったので、研究尽くしの日々を送れるこの研究室を選択。初めは「難治性がん」を単なる研究題材と捉えていました。でも、先生の話を聞いたり、実習で実際に乳がんと戦う患者さんと交流したりしたことで、研究に使命感を感じるように。自分の発見で、患者さんたちの命を救えるかもしれない、という熱い想いで取り組んでいます。「マメにやらなあかんで」が、吉川先生の口癖。1日2日では結果が出ない研究だからこそ、諦めずに努力を積み重ねることの大切さを、この研究室で実感しています。卒業後は大学院に進み、現在取り組んでいる研究をさらに深めていく予定です。
3年次生
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- 8月
- ゼミ配属
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- 9月
- オリエンテーション、ゼミ合宿
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- 10月~1月
- 基礎演習、手技引き継ぎ、薬学基礎研究論文執筆
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- 2月~3月
- 卒論研究テーマ決定、英語論文抄読会
4年次生
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- 4月〜10月
- 実験
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- 10月
- 日本薬学会関西支部総会学会発表
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- 10月〜1月
- 3年次生への引き継ぎ、OSCE・CBT試験
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- 1月
- 薬学研究I論文執筆
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- 2月〜3月
- 実験、英語文献調査
5年次生
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- 4〜3月
- 薬局・病院実習、実験、英語文献調査
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- 1月
- 薬学研究II論文執筆
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- 8〜2月
- 日本薬学会年会発表
6年次生
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- 4月〜6月
- 卒業論文の執筆、ポスター発表、論文完成
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- 9月
- 日本癌学会発表
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- 7月〜2月
- 国家試験対策に専念
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- 3月
- 卒業
- 学芸学部 音楽学科 Department of Music
- 学芸学部 メディア創造学科 Department of Media
- 学芸学部 国際教養学科 Department of International Studies
- 現代社会学部 社会システム学科 Department of Social System Studies
- 現代社会学部 現代こども学科 Department of Childhood Studies
- 薬学部 医療薬学科 Department of Clinical Pharmacy
- 看護学部 看護学科 Department of Nursing
- 表象文化学部 英語英文学科 Department of English
- 表象文化学部 日本語日本文学科 Department of Japanese Language and Literature
- 生活科学部 人間生活学科 Department of Human Life Studies
- 生活科学部 食物栄養科学科 Department of Food Studies Human and Nutrition