
日本食品分析センター
食物科学専攻 卒業
食品や化粧品の成分分析を通じて、
人の暮らしに、確かな安全を。
今回インタビューしたのは、食品や肥料、化粧品などに含まれる成分分析を行う研究所で働く卒業生。実験のノウハウや分析力はもちろん、チームで動くにあたっての姿勢など、同女で得た力を生かしながら働く姿にせまります。
「食品×化学って、おもしろい」。
ピュアな気持ちが、原動力に。
大学選びも、職場選びも「おもしろそう」「楽しそう」といった、シンプルな自分の気持ちを大切にしてきました。食物科学専攻に入ったのは、「キウイに漬け込むと、酵素の働きでお肉が柔らかくなる」などといった、食物の化学反応におもしろさを感じていたためです。在学中の豊富な実験や実習を通して、実際に手を動かし、食物に含まれる栄養素やその働きを明らかにしていくことの楽しさを実感。4年間で食品×化学に対する興味がどんどん深まったことで、研究にかかわる仕事への憧れが生まれ、現在の進路へとつながっていきました。
学びだけでなく、心も支え、
人としての成長を促してくれた。
食物の栄養に関する知識や実験のノウハウなどはもちろん、同女の先生方には心のあり方まで育てていただきました。教育実習に向けて、面談をしていただいた時のこと。当時の私は実習準備と日々の授業をうまく両立できておらず、そんな自分の状況に思わず泣いてしまいました。しかし担当の先生は叱責することもなく私に寄り添い、今後の動き方を一緒に考えてくださったんです。背中を押してもらったからには、頑張らないと。そう思えたことで実習に前向きに取り組むことができましたし、この経験から計画性を持って動くことの大切さを改めて学ぶことができました。
日々の分析業務に生きる、
チームで動き、結果を出す姿勢。
現在は、日本食品分析センターで食品や肥料、化粧品などの成分分析業務に携わっています。仕事にあたっては納期までに結果をお伝えできるよう、効率よく分析を行うことが必要不可欠。メーカーが予定通りに商品の発売をスタートできるかどうかが、私たちの動きにかかっています。分析においてはチームで連携、分担して作業にあたることがほとんど。ここで生きているのが、同女の実習での経験です。メンバーと協力し、アイデアを出し合いながら料理をつくったり、役割分担をして分析結果をまとめたり。大学で得たチームで動く際に必要な立ち居振る舞い、協働して物事を進める力をフルに使って働けていると感じます。
蓄積したノウハウを武器に、
後輩の育成にも挑戦したい。
スピーディかつ正確に分析を完了することが求められる仕事なので、「あなたに頼むと、早く終わるね」と声をかけてもらえると、大きなやりがいを感じます。これまでの経験の中で培ったノウハウや分析力を生かして、今後は後輩の育成やチーム全体の働きやすさの向上にも貢献していきたいです。最近は、作業を自動化できるような新しい機器もどんどん登場しているので、そういった新技術を積極的に取り入れていくことも、今後の目標のひとつ。使用したことのない機器の扱いは慣れるまでに根気と労力を要しますが、その先にある効率的かつ正確な分析業務をめざして、新しいことにも恐れずにチャレンジしていきたいと思っています。
口に入るもの、肌にふれるものの
安全性を守り続けていく。
私たちが行う分析は、人の体内に入ったり、肌に触れたりする製品の安全性、信頼性を担保するために必要不可欠な工程。ネットやSNSに、健康や安全に関するさまざまな情報があふれている今だからこそ、分析に裏打ちされた情報を届けるこの仕事の重要性を、強く感じています。また分析を担当した商品がお店の棚に並んでいるのを見かけることも。そんな瞬間に、「多くの人の暮らしを支えられているんだな」という実感が湧き、仕事へのさらなるモチベーションにつながっています。