淀川キリスト教病院
「自分が関わるからこその意味」を
日々の看護に見出したい。
消化器外科の看護師として、患者さんの術前から術後、さらに退院までのサポートを担う卒業生にインタビュー。「寄り添う看護」をめざして日々患者さんと真摯に向き合う彼女に、大学時代の学びや現在のお仕事について伺いました。
養護教諭から看護師へ。
実習での出来事で、長年の夢が変化。
養護教諭になることが夢だったので、教育学部と看護学部どちらに進学するか迷った時期もありました。最終的には「看護の知識や技術が、養護教諭として働く上でも役立つはず」と考え、両方の資格を取得できる同女の看護学科に進学。そんな私の夢が養護教諭から看護師へと変わったのは、実習で受け持ったがん患者さんとのやりとりがきっかけです。実習中は精一杯話を聞くことしかできなかった私でしたが、その患者さんは最終日に「良い看護師になってね」という手紙を手渡してくださったんです。看護を通じて人と心を通わせられたことに感動し、この時から「看護師になりたい」と思うようになりました。
先生やインストラクターのアドバイスが、
就職先、診療科を選ぶ決め手に。
今の職場を就職先に選んだのは、プラクティカル・サポート・センター（PSC）のインストラクターの中に、淀川キリスト教病院で看護師をしていた方がいたから。病院での経験談などを聞けたことが大きな決め手になりました。次に悩んだのが診療科選び。成人期の看護に幅広く興味があって、希望を絞りきれずにいました。先生に悩みを相談したところ、返ってきたのが「それなら消化器がいいと思う」というアドバイス。幅広い臓器の疾患を対象としている消化器科は、訪れる患者さんの年齢や属性もさまざまで、成人看護を掘り下げるのに適していると教えていただき、消化器外科を志す決意ができました。
多職種のメンバーと連携し、
退院後の患者さんの幸せを考える。
現在は淀川キリスト教病院の消化器外科で、術前の心理的サポートや術後の合併症予防、退院に向けた指導などを担当。特に人工肛門、人工膀胱などを造設した患者さんの退院指導からは、学ぶことが多いなと感じます。数年前、永久ストーマを増設した50代の患者さんを受け持ちました。当初、私は自信のなさからその方と向き合いきれていなかったのですが、「社会復帰に向けて、少し悩んでいるみたい」と先輩看護師から患者さんの様子を聞いたことで、担当の私ができることを全部やらないでどうする、と一念発起。皮膚・排泄ケア認定看護師に装具の相談をしたり、臭いを軽減できるような食事指導を栄養士に依頼したりとサポートに奔走しました。退院の際には「あなたに相談してよかった」と言っていただくことができ、自分の看護で人を支えられたことを実感しました。
看護の現場でも生かされている、
積極的に自分の意見を発信する力。
もともとは、人前で話すことに苦手意識があった私。しかし、看護学科の授業で多く設けられていたグループワークやディスカッションの機会を経て、自分の意見を積極的に伝えられるようになりました。看護師の仕事って、人前で話すことがあるの？と思われるかもしれませんが、日々のカンファレンスは大きな責任が伴う発信の場。医師や看護師、多職種の仲間たちに対して、看護師ならではの視点で意見を述べることが求められます。患者さんの状況や今後の希望、看護計画の課題などについて、主体的に発信できること。この発信力も、患者さんの心身の安全と回復を支える看護師として重要なスキルだと感じています。
患者さんの不安に寄り添い、
「自分が関わる意味」を見出す。
ひとりの患者さんと丁寧に関われる実習と違い、仕事では複数人の患者さんを同時に受け持つことが基本。時間が限られているからこそ、常に相手の体と心の状態を想像しながら向き合うことを意識しています。また、より高度な看護で患者さんにもチームにも貢献していきたいと思い、昨年は「人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算」の資格も取得。不安を抱えている患者さんに対して何ができるかを考え続ける姿勢と、看護師としての技術を磨き続ける姿勢。心理、スキルの両面で寄り添う看護を突き詰めて、「私が看護に関わるからこその意味」を見出していきたいです。
私にとっての同志社女子大学
助け合える仲間と、夢を全力で応援してくれる人がいる。
