
助産師
大学院 看護学研究科 看護学専攻
修士課程(2021年3月修了)
大学院 看護学研究科 看護学専攻
博士課程(後期)
お産に寄り添ってきた経験を生かし、
研究・教育の道へ飛び込む。
大学、大学院で看護と助産を学び、働きながら博士課程へと進んだ卒業生にインタビュー。3年の助産師経験を経て、今後は大学での研究活動に専念することを決意した背景や、これから描いていきたい未来について伺いました。
実習で出会ったお母さんの言葉が、
助産師をめざすきっかけに。
私が助産師をめざしたのは、3年次に参加した地域の子育てサークルで「毎日が不安です」と訴えるお母さんと出会ったから。赤ちゃんの誕生という素晴らしい出来事の陰で、孤独や不安を感じる方もいる。そんな人に寄り添える助産師になりたい。そう思って、本学大学院に進学しました。大学院で学んだのは、自分自身に出産や子育ての経験がなくても、知識を蓄え、寄り添うことを諦めない姿勢が大事だということ。「自分が学び続けることが、お母さんと赤ちゃんのためになる」と信じ、就職後も大学院に所属して博士号取得をめざしています。
「お母さんの声」に耳を傾け、
お産を素晴らしい体験として届ける。
卒業後は大学院に通いながら、総合病院に就職。助産師としてたくさんのお産に立ち会ってきました。どんな風に産みたいか、どんなサポートが欲しいか。お母さんたちが描く理想は千差万別です。安全にお産を終わらせるだけでなく、お母さんの想いを汲み取って素晴らしい体験として記憶に残るようなお産をつくり上げていくことも、助産師の仕事。この人はしっかり対話してほしいと思っていそうだな、あの人は自分でじっくり考えたいタイプかも。そんな風に、お母さんの内面を深く見つめながら、その人らしい出産の在り方をサポートしています。
「監督」ではなく「コーチ」として、
二人三脚で、お産に臨む。
流産を経験されている妊婦さんを担当したときのこと。「今回は絶対幸せなお産にしたい」と願われていましたが、陣痛がなかなか来ず、お産が長引きました。頑張っているお母さんに、少しでもリラックスして欲しかった私は、アロマの足浴や一緒にスクワットに取り組むことを提案。二人三脚で頑張り続けること2日、赤ちゃんが無事誕生したとき、「一緒にお産を頑張ってくれる、部活のコーチみたいだった」と言ってもらいました。 お産を指導する“監督”ではなく、ともに頑張る“コーチ”になれたことが本当にうれしかったです。
出産を通して、女性が自分の体を知り、
見つめなおすきっかけをつくりたい。
大学院ではお産をスムーズに行うために必要な筋肉量や、産後の回復を助ける運動方法の研究を行っていて、先日博士課程の中間発表を終えたばかり。女性が妊娠をきっかけに自分の体を見つめ直し、健康な体づくりを意識できるような手法を社会に提示できればいいなと思っています。博士課程での研究が折り返しを迎えたことが、助産師として臨床に携わり続けるか、大学院で研究に力を入れていくか、今後のキャリアを考える契機に。迷った結果、来年度から研究活動に全力を傾けることを決意。一部授業では講師も務める予定です。
学生たちに近い立場から、
助産のリアルを伝えていけたら。
小中高、大学、大学院。長く学生を続けていますが、どのタイミングにおいても私は素晴らしい先生方に恵まれてきました。講師として授業を受け持つようになったら、お世話になった先生方を見習いながら、私らしさも生かした指導を行いたいと思っています。学生たちと年齢が近く、悩みなどにも共感しやすいこと、つい最近まで多くの出産現場に立ち会ってきたことが、私の強み。教育の現場に立つようになっても、監督ではなくコーチをめざし、学生の成長を隣で支えられる先生になっていきたいです。