
プロフェッショナル職
なくてはならない「移動」を支え、
素敵な旅の思い出を、生みだしていく。
毎日の出勤や通学、ちょっとしたお出かけ、遠方への旅行。人のさまざまな移動を支える鉄道会社で働き、運転士をめざしている卒業生にインタビュー。大学で培った観光領域の知識を土台に、自分らしさを生かしながら働く日々について、お話をうかがいました。
ジェンダーの授業を通じて、
キャリアのイメージが広がった。
旅行がくれる非日常なワクワク感や、観光地の方々のあたたかな気遣い。こういった「旅を通じて得られる感覚」が好きで、観光について学べる社会システム学科に入学しました。具体的なキャリアイメージを描くきっかけになったのは、女性の社会進出や仕事と家庭の両立について学ぶ、ジェンダーの授業。「男性だから、女性だからと役割を分ける必要はない。仕事は、自分の夢をかなえ、自分らしさを発揮するための手段なんだ」と気づき、自己実現のためのキャリアプランを考えるようになりました。
非日常な「旅のワクワク」を、
より多くの人に届けられる仕事。
入学前からいだいていた観光への興味は4年次生になっても変わらず、就職活動もホテル業界を中心に進めていました。いくつかの企業から内定をいただくこともでき、就活も終盤にさしかかっていた頃、仲のいい友人が勧めてくれたのが、JR西日本の選考でした。選考が進むにつれて気づいたのは、鉄道も、ホテルと同じように多くの人の「非日常」を支えられる仕事なんだということ。この場所でなら、自分が大切にしてきた「旅のワクワク」をより多くの人に届けられるはず。そう思えたことが、入社の決め手になりました。
相手にとっての当たり前でも、
しっかり向き合い、丁寧に。
現在は、JR西日本のプロフェッショナル職として、駅での案内や切符販売を行っています。利用される方々にとって駅員との会話は、日常の些細なワンシーンとして忘れられてしまうことがほとんどかもしれません。だからといって手を抜くことなく、丁寧に対応するのが私のモットーです。ある日、旅行に行かれるお客様に、車窓からきれいな景色が見える席をおすすめしたときのこと。その方は旅行終わりにわざわざ窓口を訪ね、「車窓から見えた風景が素敵で、いい旅行になった」と言ってくださいました。こういったあたたかい「ありがとう」をもらえることが、大きなやりがいになっています。
京都や観光についての知識が、
乗客とのつながりを生む。
フィールドワークを通じて京都を学ぶ授業を受けたことや、全国の祭りや観光地などに関する知識を学んだことが、現在も役立っています。乗客から「京都のこのお寺にいきたい」と声をかけられた際に、単にルートをお伝えするだけでなく、「そのお寺って、こういうところが素敵ですよね」など、プラスアルファの接遇ができているのは、知識の蓄積があるからこそ。マニュアル通りのお手伝いではなく、こちらから相手に寄り添う会話を展開することで、その方をより気持ち良く送り出すことができていると思います。
めざすは、乗客の安全を守り、
移動を支える運転士。
今後の目標は、運転士になること。もともと「就職しても、結婚や出産を機に仕事を辞めることになるのかな」と思っていた自分が、キャリアアップを考えるようになったことに、驚いています。駅員や運転士は、泊まりがけでの勤務も多い職業です。ライフステージの変化によって、仕事とプライベートの両立が大変になる局面もやってくるかもしれません。でも、目標を諦めずに充実したキャリアを築いていくことが私の夢。私がこの夢を実現することで、女性駅員・運転士をめざす後輩たちに、いい影響を与えられたらと思っています。