
保健福祉課 保健師
地域に密着しながら、
一人ひとりの心身と生活を支える。
地域の方々とコミュニケーションを取りながら、健康と生活をサポートする保健師として働く卒業生にインタビュー。「みんなが自分らしい生活を送れるよう支えたい」と語る彼女に、夢を抱いたきっかけや大学時代のエピソード、現在のお仕事について伺いました。
高校生の頃から夢見ていた、
病気の予防に携わる保健師の道へ。
保健師をめざしたきっかけは、家族が生活習慣病を患ったことでした。「病気になってしまう前に、なにかできることはなかったのか」と考えるようになり、高校生の頃に初めて知ったのが現在の職業。「治療」ではなく「予防」に携わることができる保健師をめざして、看護学科へ進学しました。
赤ちゃんからお年寄りまで、
幅広い世代の健康と生活を支援。
現在は区の保健福祉センターに配属され、地域で暮らす方々の健康と生活を支える仕事をしています。子育てをされている家庭に訪問して赤ちゃんの体重を測ったり、ミルクの量や離乳食の時期について相談に乗ったり。高齢者の方には、健康に長生きするためのアドバイスをしたり、一緒に健康体操をしたり。また、新型コロナウイルス感染症に関わる窓口対応なども行っています。保健師という職業はあまり知られていないかもしれませんが、赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代の方と関わる、地域に密着した仕事です。
地域の方々の笑顔やうれしい言葉が、
私の原動力になっている。
病気や健康についての情報がインターネットに溢れている時代ですが、何を信じたらいいか分からないという方も多くいらっしゃるのが現状です。私が保健師として正しい情報をお伝えし、サポートすることで、地域の方の不安が和らいだり、笑顔になったり、一人ひとりが思い描く生活に近づいていくんだと思うと、どんなに忙しくても頑張ろうという気持ちになります。実際にお話した方からは、「すっきりした」「聞いてもらえて良かった」と言ってもらえることや、「大変だと思うけど頑張ってくださいね」と逆に元気づけてもらうことも。やりがいを感じる瞬間がたくさんあります。
人と一緒に考え、意見を交換することで、
より良い解決策を見つけだす。
大学生活の中で思い出深いのは、健康教育論の授業で健康教育実習に臨んだこと。妊婦さんを対象とした禁煙指導について、グループで検討し、実践しました。単に指導内容を考えるだけではなく、お腹が大きくても座りやすいマットを椅子の代わりに準備するなど、いらっしゃったときにどのような体制で受け入れるかに至るまで、グループのみんなと思考を巡らせました。学んだのは、グループのみんなの意見を聞き、自分の考えも伝えることで、対象者のニーズに合った満足度の高い方法が見いだせるということ。地域の方々のより良い生活のために、他職種の方とも連携しながら動いていく。そういった、保健師の仕事に必要な力が養われたと感じています。
一人ひとりが、自分らしい生活を送れるように。日々学び、知見を広げていく。
支援の対象となる方の年齢層が幅広いからこそ、私が把握しておくべき情報も、母子について、高齢者についてなど多岐にわたります。そのため、保健師の専門書を読み込んだり、厚生労働省のHPを見て調べたり、勉強しながら仕事にあたる毎日。自分の知識と経験を豊かにした上で、みんなが自分らしく生活できるように解決策を考える、そんな頼れる保健師になりたいです。