
大阪市民病院機構
大阪市立総合医療センター
腫瘍内科 看護師
確かな技術と人への想いを力に、
心地いい看護を届けていきたい。
家族の闘病をきっかけに、看護師を志した卒業生にインタビュー。命と向き合う責任に戸惑いながらも、目の前の患者さんに全力で寄り添う。一人前の看護師をめざして努力を続ける姿から、知識や技術にとどまらない、看護師のとって大切な「心のあり方」が見えてきました。
家族の闘病を目の当たりにして抱いた、
「大切な人を笑顔にしたい」という気持ち。
幼い頃、大好きな祖母が「大きくなったら、おばあちゃんをよろしくね」と私に声をかけたことがあったんです。何気ない会話でしたが、この言葉をきっかけに、大切な人を支え、笑顔に導ける仕事につきたいと思うようにしました。その後、母が癌を患い入院することに。そこで見たのはあたたかく、テキパキと母をケアする看護師さんの姿。「看護師って大切な人の力になれる、すばらしい仕事なんだ」と感銘を受け、看護の道を志すようになりました。
命と真剣に向き合いながら、
自分らしい看護を見つけていく。
腫瘍内科に配属され、主に化学療法や放射線治療を行う癌患者さんを担当しています。少しでも患者さんが楽になれるよう、食事や精神的なケアを行うのが私たちの仕事。初めのうちは「命に対する責任」の重さに戸惑い、落ち込むことも多かったです。経験が浅いながらも自分なりに考えてから行動する姿勢を大切にするようになってからは、医師や先輩方から「成長したね」と声をかけてもらい、自信をもって看護にあたれるようになってきました。
「ハンデがあっても、頑張るんやで」。
患者さんの言葉が、何よりの励みに。
闘病する方々を元気づける立場にはありますが、患者さんの言葉でこちらが励まされる瞬間も多くあります。私はもともと両側難聴なのですが、以前、私が補聴器を着けていることに気づいた患者さんがいました。「僕も苦労することが多いけど、何にでもチャレンジしてきたんや。ハンデがあっても、頑張るんやで」。闘病で大変なはずなのに、私を思いやってくださった言葉に本当に感動しました。日々の業務がどんなに忙しくても、この言葉を思い出すたびに「前向きに頑張ろう!」という力が湧いてきます。
看護はコミュニケーション。
人と関わる力は、大学時代に培った。
コミュニケーション能力は、技術や知識と同じくらい看護師にとって重要な要素。大学時代の実習で、患者さんとの関わり方を学べたことは、今の仕事に直接的に生きています。目線を合わせて患者さんを「見て」、穏やかに「話して」、優しく「触れる」。実践的に学んだコミュニケーションの手法を忘れず、心地よい看護を提供していきたいです。
養護教諭としての知識も生かし、
幅広い看護に挑戦していきたい。
技術的にも精神的にも、患者さんから信頼される看護師になることが、目下の目標です。急患にも落ち着いて対応できる応用力と、心配なことや悩みごとを素直に話してもらえるような安心感を身につけてこそ、一人前の看護師だと感じています。また大学時代に養護教諭の免許も取得しているので、こどもたちの心と体をケアできるような看護も行っていきたいと考えています。
- ※写真は2019年度 在学当時のものです