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教員が語る同志社女子大学の学び

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「母性」
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「健康」

女性の生涯の健康を学び
患者さん、自分の人生を
より健やかに、豊かに。

看護学科

和泉 美枝教授

助産師として伝えたい「妊娠・出産ができる体づくり」の大切さ。

「女性は妊娠しようと思えばいつでもできるはず。私もきっと大丈夫」
そんな風に思ってはいませんか。
実は女性には妊娠・出産に適した年齢があります。思春期の間は身体が未熟で妊娠・出産へのリスクが高く、30代後半になると卵子の老化により妊娠の確率が大きく下がります。女性の生涯において、妊娠適齢期は十数年しかありません。

私は看護学科のウイメンズヘルス領域の教員として、人の健康を性と生殖の側面から考え、主に「周産期(妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期)にある女性とその家族に対する看護援助」について指導しています。さらに、女性の生涯にわたるセルフマネジメントを学ぶ「ウイメンズヘルス」などの講義も担当しています。

本学にはそれらを学ぶ施設も整っています。実習室には、新生児や乳児のモデル人形、妊婦・産婦・褥婦のシミュレータを備えており、これらを使って看護技術を実践的に学ぶことができます。

このような知識・技術の指導とともに、私は学生に対して「妊娠適齢期を含めた自分のライフプラン」を考えることを講義やゼミで伝えています。看護師として就職し、キャリアアップしていく中で、人生のどのタイミングで妊娠・出産をするのか、学生時代から考えほしいと思っています。
「子どもがほしかったのに」、「もっと早く妊娠・出産を考えておけばよかった」、そんな後悔のないよう、将来子どもを産みたいと思っている働く女性の先輩としてメッセージを送っています。

そして学生には「妊娠・出産ができる体づくり」の大切さを伝えています。
過度なダイエットを避け、バランスの取れた食事を摂り、規則正しい生活リズムを身につける。それが妊娠・出産のできる体づくりの基礎となり、子育てをするための環境づくりにつながります。何より、看護師として欠かせない体力づくりにもなります。

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赤ちゃんやお母さんをテーマに学生は研究をしています。

私は「女性の心身の健康支援」をテーマに研究をしています。お母さんと赤ちゃんの心身の健康を支援する方法として、妊娠期から育児期のお母さんの不安や抑うつ、体重の変化などを、身体の恒常性を維持するための要となる自律神経との関連から研究しています。

ゼミでは、学生は思春期の性教育から、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期、更年期まで生涯にわたる女性の支援という観点からテーマを選び、卒業研究に取り組んでいます。
「女子大生の妊娠・出産に対する意識」や「冷え」といった身近なテーマで研究に取り組む学生、私自身が新生児集中治療室(NICU)で働いた経験があることから、「NICUにおける家族への支援」といったテーマを選ぶ学生もいます。

ゼミには、将来、助産師を志望する学生もいます。同志社女子大学では、大学4年間でしっかりと看護師になるための学びをし、本学の大学院助産学実践分野に進み、助産師を目指すことができます。

助産師は看護師とはまた違ったやりがいを感じられる職種です。正常妊娠・分娩であれば、医師の指示のもとでなく、助産師が自立/自律して自分の知識や技術を発揮し、妊娠中のケア、お産の介助などお母さんと赤ちゃんのケアをすることができます。
陣痛がなぜ起こるのか、そのメカニズムも解明されていないなど、妊娠・出産は神秘的な領域です。

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総合大学ならではの学びが患者さん支援に生きます。

看護師は、入院中の患者さんのケアはもちろんのこと、退院後の生活支援も重要な仕事です。
入院中であれば患者さんは規則正しい生活を送れますが、退院後は自宅で自己管理をしながらの生活になります。医療技術の進歩や社会制度の変化で入院日数が短期化するなか、今後在宅での医療が増え、看護師にはこれまで以上に生活支援のスキルが求められます。

そうしたスキルの基本になるのが、看護師自身の生活体験です。自分の食生活や生活リズムが乱れていては、患者さんに適切な指導はできません。先にお話した「妊娠・出産ができる体づくり」ができているかが問われます。

また、自宅で暮らす患者さんをケアするためには、患者さんの生活背景や、その人がどのような価値観を持っているのか、多様性を理解することが大切です。
総合大学である同志社女子大学では、多様な共通教育科目を履修することにより、豊かな教養や幅広い知識や視野を身につけることが可能です。
また、学生には日頃から「人を観察しなさい」「人に興味を持ちなさい」と伝えています。患者さんの様子を見て「いつもと何か違うな」と、その変化に気付くことができる観察眼が看護師には必要だからです。

女子大ならではのキャンパスの明るさ、学生を主体に考えて造られた建物・設備といった環境のよさに加え、教職員一人ひとりが学生のことを第一に考えているのが同志社女子大学の特長だと思います。看護師を目指すための環境が整っており、学びの環境を積極的に活用し、前向きに学んでほしいと思います。

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受験生のみなさんへ

看護学部は専門性を修得できる学部であり、卒業後は看護師、保健師など、自分の進みたい分野に向かって目標を持ち、突き進むことができる学部です。そして大学での学びを基盤に、専門職者として自律性を持って、働くことができます。
患者さんのための看護だけでなく、自分の健康や妊娠・出産、家族の健康に関する知識も身につけることができます。人生を豊かにする学びを、私たちと一緒に深めていきましょう。

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和泉 美枝教授

看護学部 看護学科 [ 研究テーマ ] 女性の心身の健康支援

研究者データベース

関連リンク ひとつぶラジオ

卒業論文一覧

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卒業論文テーマ例

  • 女子大学生の妊孕性と性感染症に対する知識と意識
  • 産後うつ病の発症要因と予防のための支援
  • 不妊治療後の妊婦の心理的特徴と必要な支援
  • 不妊治療後の妊婦とパートナーの心理的特徴と支援
  • NICUに入院する低出生体重児を持つ母親への支援
  • NICUに入院する児の父親役割形成に向けた看護支援
  • NICUでの児と家族に対するターミナルケア
  • 女子大学生における冷え症の実態
  • 出生前診断や染色体異常に関する女子大学生の知識
  • 出生前診断に関する看護学生の意識調査
  • 女子大学生のライフプランと妊娠・出産に関する知識と意識
  • 妊娠期の母親役割獲得過程の経過分析
  • 臨地実習が生活スタイルや月経に及ぼす影響
  • 看護学生における体格及び生活習慣と骨密度との関連
  • 看護学生の月経前症候群と自律神経活動との関連