dwcla TALK ようこそ新しい知の世界へ

教員が語る同志社女子大学の学び

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「デザイン」
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「コンテンツ」

新しい表現に
次々と挑戦できる
デザインの面白さです。

メディア創造学科

髙木 毬子教授

大学の研究作品が「世界一美しい本」に選ばれました。

2019年に10冊目の本を出版することができました。9冊目までは私自身が企画し作ってきましたが、10冊目はベルリンのミース・ファン・デル・ローエ・ハウスから依頼を受け、ドイツ外務省からバウハウス創立100周年の一プロジェクトとして補助金を得て手がけました。1930年代にバウハウスで学んだ日本女性を軸として、当時の社会情勢を小説のようにバイリンガルで書いた『山脇道子:一つのバウハウス物語』です。左ページは英語表記、右ページをドイツ語表記として、どちらかの言語のページに集中してもらえるデザインとしました。

本作りは、学生時代から手がけてきました。2001年に大学の卒業研究・作品をまとめた『和紙―日本の紙の伝統と文化』を制作。ドイツ語で綴った和装本で、タイトル通り和紙の歴史、漉き方、さらに生活の中での使われ方などを紙見本帳とともに紹介した、和紙の「参考書」のような本です。
当時、世界では手すき和紙についてほとんど知られておらず、ドイツ在住だった私は周囲から「東南アジアの米を素材にしたライスペーパーのことか」と質問されても、詳しく答えることができませんでした。そこで和紙を卒業研究のテーマに掲げ、日本から資料を取り寄せて研究を開始。その後日本に渡り、産地の職人の皆さんを訪ねて取材をし、上下巻全178ページの和装本として完成させました。印刷代がかさんでしまったため、5部だけ自費制作しました。
この本をもってドイツのブックデザイン財団のコンペに応募したところ、国内の選考を通過して新人賞を受賞。さらに国際コンペに進み、2002年「世界一美しい本」に選ばれました。

以来、2,3年に1度、自分でコンテンツを企画し、研究し、原稿をまとめて本を作ってきました。テーマは日本文化を中心に、お茶、おのまとぺ、マナーなどさまざまです。マナーの本は学生時代に作ったピクトグラムをベースに、NGマナーを黒で表現するなど、意味のある、わかりやすいデザインを重視しました。ドイツ人の母と日本人の父のもとに生まれ、小学校・中学校はドイツの日本人学校で、高校・大学はドイツの現地校で学んだ経験がベースになっています。

大学在学中に友人と立ち上げたデザインスタジオでグラフィックデザイナーとして仕事をするなど、表現中心の活動を続けてきましたが、2008年からは研究に軸足を置くようになりました。
テーマは「タイポグラフィ」です。タイポグラフィとは、活字を使ったデザインのこと。大学でタイポグラフィと本のデザインを専攻していた私は、卒業後に嘱託講師として欧文タイポグラフィの基礎授業を担当することに。研究では和文タイポグラフィに専念することにしたのです。
その2年後、香港の大学に移ったことで研究が深まりました。香港は漢字文化ですが、旧字(繁字)なので日本の漢字とは異なり、ひらがなもカタカナもありません。そこで漢字を形から分析する「繁字グラフィー」のプロジェクトを開始し、本にまとめました。

このように新しい表現にどんどん挑戦できるのがグラフィックデザインの面白さです。デザイナーは単に人に与えられたコンテンツをビジュアル化するのではなく、自分からコンテンツを作るべきだと恩師から学び、私も実践してきました。自分の仕事は自分でデザインし、自分の人生も自分でデザインする。その醍醐味を学生に伝えたいと考えています。

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多様なデザインワークに挑戦。最高の卒業研究を目指します。

ゼミのテーマは、紙媒体のグラフィックデザインです。2年次の秋学期は「志プロジェクト」に参加して京都企業のパンフレット制作に取り組み、3年次の春学期には、すでに出版されている本をリ・デザインします。2020年度は『白バラは散らず』という、戦争、プロパガンダ、権力に抵抗したドイツの大学生について書かれた本を取り上げ、大学生が伝えたかったことを表現するリ・デザインに取り組みました。
3年次秋学期には、生活の当たり前を考え直す企画「Plan B」をスタートします。インフォメーションデザインを駆使し、日常におけるデザインの重要性・可能性を追求していきます。

卒業研究の軸になるのは「何を作りたいか」ではなく、「何を伝えるか」です。例えばある学生は、日常生活を4コママンガの形式で、ピクトグラムを使って表現。見る側はもちろん、作り手側がコンテンツを作ることを楽しんでいることが伝わってきます。また、家業について考えてみようと、家族に取材をして本にまとめる学生もいます。学生それぞれが、そのときにできる最高の作品を作ってほしいと考えています。

デザインは、形を整えることではありません。例えば企業のロゴデザインでも、形の提案ではなく、「企業としてどう社会に認知されたいのか」という大きな視点で提案できるデザイナーが求められています。かっこいいテンプレートやかわいいデザインは世の中にあふれており、自分の意志や独自の世界観を持ち、コンテンツを軸に視覚化できるデザイナーを目指してほしい。そのために大学という自由な場で、多様な考え方や人生観に触れ、自分にとって何が大事か、何を伝えたいかを突きつめてほしいと思います。
また、一緒に仕事をしたいと思える仲間と出会えるのも大学です。写真撮影がうまい人、コピーライティングが冴えている人、そんなコラボレーションできる仲間を見つけ、ネットワークを作り上げていく大切さも学生に気づいてもらいたいと考えています。

デザインはツールであり、努力でセンスも磨けます。これまで才能を持った学生を見てきましたが、結局は努力を重ねる学生に追い越されることがあり、それはどの国でも同じです。努力とは、デザインを自分でアーカイブ化すること。展示会・作品の鑑賞、読書、街中のデザインを見て、これはうまくできている、ここはよくない、といったことを判断してどんどん情報を蓄積し、センスを磨いてほしいと思います。

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同志社女子大学だからこそ育まれる能力があります。

メディア創造学科のみならず、同志社女子大学のカリキュラムを見ていると、私自身が受講したくなるような授業がそろっています。自分の生き方について考える授業が多く、多様な分野に触れながら自分が何に関心を寄せるかを考え、学ぶことができる。「リベラル・アーツ」を教育理念に掲げる大学ならではの恵まれた学びの環境だと思います。

ゼミで社会問題や読書の魅力について学生と話をしていると、「ほかの先生、他学科の先生からもそのお話を聞きました」とフィードバックをもらうことがあります。学部・学科の枠を超えて授業を受けられる本学のよさを感じると同時に、複数の教員からの問いかけで、人生の大切なテーマに対して、学生の理解や内省が進むリベラル・アーツの力を感じます。

今後、女性が社会のさまざまな場面で意見を述べ、女性の視点から社会課題とその解決策を提示することがますます求められるでしょう。同志社女子大学だからこそ育まれる能力は、これからの時代により一層重要になると思います。

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受験生のみなさんへ

大学時代をどう過ごすかは、その先の人生を大きく左右すると思います。人との出会いの場であり、自分がどんな人間であるかに気づき、それを追究できる場所だと思います。高校までのように学び方は決められていません。あなたらしい学び方を突きつめてください。

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髙木 毬子教授

学芸学部 メディア創造学科 [ 研究テーマ ] 文字、タイポグラフィと文化

研究者データベース

卒業論文一覧

dwcla TALK

卒業論文テーマ例

  • 展示会デザイン「コトノハ」
  • ポスターデザインと論文「理解すること/されること」
  • 論文『ジェンダーの視点で考える「かわいい」』
  • デジタルブック制作「THE MACHINE STOPS」
  • 作品制作「○-en-」
  • 展示会「モノの1UP」「SORANPO」
  • カードゲーム「ポレンパーティー」の制作
  • 作品「あるいは薬草という名の植物」
  • 絵本作品「奈良を観光する埴輪たち」
  • 色の多様性を考えるー創作アイドルグループ「COLUM」のプロデュースを通して
  • 作品『ほしものがたり』
  • 短編マンガ集「ピクトマンガ」
  • コーポレートデザイン「マクロビクッキーのおみせ たまき」
  • プロジェクト「すヽめる本屋」
  • ブック・リデザイン「again」
  • デザイン・プロジェクト「すヽめる本屋」
  • ブックシリーズ・デザイン「森プロジェクト」
  • 論文「Instagramと承認欲求の関係性」
  • リメイク作品「Re:mine」
  • アーティストブック「Recomposition」
  • 映画のビジュアルガイド「青春バグルート」
  • ショートストーリー「For Seasons」集