dwcla TALK ようこそ新しい知の世界へ

教員が語る同志社女子大学の学び

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「こども」
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「感性」
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「知性」

ものづくりを通じて
感性や知性を育む教育のありかた
について追究しています。

現代こども学科

竹井 史教授

身近な材料で創るおもちゃや理想的な土環境について研究しています。

こどもの多くは、どろんこ遊びが大好きです。指の間から冷たく柔らかい土がにゅるっと出てくる感触を楽しみ、おだんご作りに一生懸命になる。五感を使って思い切り遊ぶことで感性や知性が育まれ、それが生きる力につながります。
美術教育学を専門とする私は、ものづくりを通した人間形成をテーマに研究しています。指先を使った工作や絵画表現などでこどもの巧緻性を育て、脳を活性化するプログラムや、ものづくりを通してこどもたちの感性と知性をどう豊かに育んでいくかを研究しています。

具体的には、幼児から小学生を対象とした題材開発がそのひとつです。紙コップや色紙(いろがみ)など身近な材料を使い、こどもたちが自分で作って遊べるおもちゃを開発します。こどもたちが楽しいと感じ、指導する現場の先生も面白いと感じられる題材でなければなりません。
また、土環境の開発も研究テーマのひとつです。近年は、保育園、幼稚園、小学校など、こどもたちの置かれている土環境は、水はけよく整備され、土でおだんごを作ったり、にゅるにゅるの泥の感覚遊びができないところが少なくありません。それらが可能な土や土環境の開発、どろんこ遊びや水遊びなど、幼児教育や小学校の現場で役立ついろいろな実践書やこども向けの雑誌、小学校で使う図工の教科書も執筆しています。

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学生の個性と想像力・創造力を生かした卒業論文への取り組み。

私が担当する授業では、学生自らが創作課題に取り組みます。
例えば、「こどもとアート」という授業では、紙や不織布などにスタンプを押して作った生地でのファッションショーや粉糖を固めて作るお菓子の家づくりなどを行い、こどもの発達や遊びや造形活動の楽しさについて実践を通して具体的に学んでいきます。絵本作りをテーマにしたインターンシップの授業もしています。その取り組みを生かし、学生が描いた絵本が大賞を受賞する、という、うれしいニュースも飛び込んできました。
その他には、教員や保育士になるための授業もしています。授業の課題には、紙飛行機づくりもあります。作ったことも飛ばしたこともない学生にとって、最初は1 0メートル以上飛ばすのは至難の業です。幾度となく作り直し、教材研究をしながらついに意志を持ったごとく紙飛行機がスイスイと飛んでいく。この達成感を味わうと、学生の顔つきが変わります。将来、こどもの成長に携わる者として、五感を働かせ、全身を使って遊ぶ体験は重要です。

同志社女子大学の現代こども学科は、こどもの世界に関わるテーマを幅広く積極的に学び、学生の興味・関心に沿った指導を行っています。そのため私のゼミでも、学生の個性や関心に応じて卒業論文のテーマはさまざまです。保育士や幼稚園教諭、小学校教諭を目指す学生は、感性を豊かにする手作りおもちゃの教材開発、フィンガーペインティングの開発など私の研究分野であるものづくりをテーマに掲げる人が多いようです。そのほか、幼児教育における外国語教育のあり方、こどもの好奇心をくすぐるあそび環境、また子どもを育てる親のあり方をテーマにする学生もいます。マンガ家を目指す学生は、「将来の夢にも役立つのではないか」という私の言葉にヒントを得て、マンガのキャラクター研究を卒業論文のテーマに選びました。

色紙に生命を与えよう!ヘコヘコ君の誕生!

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私は、本当にやりたいこと、興味を持っている事柄を対象に選び卒業論文に取り組んでほしいと考えています。「ここまでできればいい」、「なんとなくできた」など、そんな薄味で生きるのではなく、ものごとの本質にまで徹底的に踏み込んでほしい。達成感を味わうと、それが自分のものの考え方のひとつの基準になるはずです。卒業論文は本質にまで踏み込める取り組みであり、卒論作成を突きつめた学生は、その後の人生においてもあらゆることに対して貪欲になり、意欲的に取り組むことができると思っています。

教育・保育の現場に進む学生には、こどもの存在を豊かに理解し、自分自身が味わって楽しかった経験をこどもたちに伝え、こどもと一緒に成長できる教員や保育士を目指してほしいと考えています。社会の変容によって多様な価値観が生まれ、正解がひとつではない時代です。こども一人ひとりが、生きる意味を見いだす、それを支えるのが教師や保育者の仕事だと思います。そのためには、子どもの成長を支える自分自身が、人生の楽しみやものを作る面白さを知っていることが大切です。こども服や玩具メーカーなど、こどもに関わる民間企業に進む学生もいますが、まったく同じことが言えます。

どんな仕事でも、中途半端な取り組みの姿勢では面白さを感じることはできません。仕事の中に楽しさを見いだし、生きる喜びを存分に味わってほしいと思います。こどものどろんこ遊びにも通じますが、五感を磨いていくと、自然素材の神秘や季節の移ろい、自然の美しさ、いろいろなことに対して敏感になり、感性が豊かになり、知性が育くまれる。それらは生きる喜びに繋がっていくと思います。

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「こども」の研究を通して多様な価値観を学べるのが現代こども学科

こどもはかわいい、こどもが好きだという思いから本学科に入学しても、学生はすぐ、こどもについて学ぶことは、複雑で難しいことに気づきます。こどもを通して、人間を、社会を学ぶのが現代こども学科であり、その学びが深淵だとわかるからです。こどもについて学びながら、社会における多様な価値観、あるいは課題を知り、自分の価値観を相対化して見直し、考えることができる。それが同志社女子大学現代こども学科の特長だと思います。

また、現代こども学科は、3年次までに多様な講義を受け、実習を重ねて幅広い教養を身につけるなかで自分の適性を見極め、じっくりと将来のキャリアを考えるゆとりがあります。入学時から出口を決めなくてもよい、というのは自分の可能性を広げるチャンスに満ちている、ということです。
歴史ある同志社ならではのエレガントさやセンスの良さは、他大学にはない空気感です。精神と身体を解放できるキャンパスで、感性・知性、豊かな教養を磨いてください。

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受験生のみなさんへ

同志社女子大学のキャンパスは全国でも有数の美しく、整備されたキャンパスです。そのキャンパスで将来のキャリアにつながる様々なチャレンジをしませんか。 大学は多様な価値観が認められる場であり、同志社女子大学の4年間でおおいに学んで、本当の自分に出合い、あなたの夢を実現してください。

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竹井 史教授

現代社会学部 現代こども学科 [ 研究テーマ ] 美術教育学、幼児の造形・遊び

研究者データベース

関連リンク ひとつぶラジオ

卒業論文一覧

dwcla TALK

卒業論文テーマ例

  • こどもの感性と知性を育む手作りおもちゃの開発
  • こどもの知的好奇心を育成する科学おもちゃの開発
  • 子どもの絵画表現の発達
  • 小学校図画工作科教科書研究
  • 日本における伝承おもちゃの研究
  • フィンガーペィンティングの研究
  • 土による絵の具の開発
  • 自然材による教材開発
  • 子どもの感性を豊かにする題材開発
  • こどもの色彩教育について
  • 動くおもちゃの教材開発
  • 幼児教育における外国語教育のあり方
  • 外国人児童における造形を生かした教具の開発
  • こどもの好奇心をくすぐるあそび環境
  • 子どもを育てる親のあり方
  • マンガのキャラクター研究
  • ポケモン研究