Doujo Women's Career Story-多彩な業界で活躍する同女の卒業生インタビュー-

仕事内容も、やりがいも、大学時代のエピソードも、
卒業生のリアルをお届けします。
Victorian Department
of Education
Classroom teacher
– Japanese
表象文化学部日本語日本文学科 卒業

日本語への情熱が開いた、
海外で働くという選択肢。

「日本語が好き」という想いを生かすべく、あえて海外へ飛び出した卒業生にインタビュー。言葉の壁や日本語教師になるための大学院進学など、さまざまな苦難を越えてきた経緯、当時の原動力について、振り返っていただきました。

My Story

Episode01

夢のきっかけとなった、
日本語を学ぶ子どもたちの姿。

海外で活躍する日本語教師になりたい。そんな夢を抱くきっかけをくれたのは、同女のTJFLプログラムでした。プログラムでは1ヶ月にわたり、オーストラリアの小学校を訪問。そこで日本語を学ぶ子どもたちを見た時、とても不思議な気持ちになりました。日本語は、英語と比べれば話者が極めて少ない言語です。にも関わらず、すでに英語を話せるオーストラリアの子どもたちが、日本語に親しみ、学んでくれている。言葉を通じて、遠く離れた日本とオーストラリアがつながっていることを実感し、海外で日本語を教えるという仕事に興味を抱くようになりました。

Episode02

卒業後、一度は就職するも、
諦めきれずオーストラリアへ。

日本語教師という夢を持った私は、帰国後TJFLに続いてATJ(現LAP)プログラムに挑戦することを決意。ATJとは同女の卒業生を対象にした国際交流プログラムで、日本語教師のアシスタントとしてオーストラリアに派遣される、という内容でした。しかし私の卒業年は、運悪く受け入れ先がないという状況に。ひとまず卒業後すぐの派遣を諦め、国内で就職することを決めました。しかし働きながらも渦巻いていたのは「何か違う」という感覚。やはり夢を追いかけたいと思うようになり、入社したばかりの会社を退職した私は、卒業の翌年に再度ATJに挑戦。無事にオーストラリアへ派遣されることとなりました。

Episode03

ぶつかった言語の壁も、
子どもたちのために乗り越えた。

意気揚々とATJをスタートさせた私でしたが、ここで初めて「言語の壁」にぶつかります。実は、在学中に参加したTJFLでは日本人指導者がいたため、英語で苦労することがほとんどありませんでした。しかしATJで派遣された学校は、大規模で、即戦力を求めていました。もともと英語が得意でない上に、初日から生徒と一対一での指導の時間が多く、日本語の説明はおろか、日常会話すら思い通りにいかない状況に陥ったのです。この状況に深く悩む日が続きましたが、ATJに挑戦するという選択をした意味を今一度自分に問い、自らを鼓舞。自身の英語力を磨くとともに、周囲の先生とも良い関係を築けるよう積極的にコミュニケーションを取ったことで、生徒をきちんとサポートできる環境を自ら切り開いていくことができました。

Episode04

長い道のりの支えになった、
「がんばれば、できますよ」という言葉。

ATJ終了後はワーホリビザや学生ビザを取得し、夜間の語学学校に通いながら、日中は現地の学校で日本語を教えるというハードな生活を続けました。くじけそうな時いつも心に浮かんだのは、ATJで指導した学生の言葉。彼は難しい課題にぶつかっても「がんばれば、できますよ」と自分に言い聞かせて、ひたむきに日本語学習を続けていました。がんばればできる。その言葉を原動力に研鑽を続け、2019年には大学院に入学して、オーストラリアの教員資格を取るための過程を修了。自分には無理だと思っていた海外の大学院を卒業できたのは、常に身近にいる「日本語をがんばる生徒たち」の存在が励みになっていたからだと思っています。

Episode05

試験で点を取る方法ではなく、
言語というツールを手渡していく。

現在はオーストラリアの公立中高一貫校で、幅広い学年の生徒に日本語を教えています。常に大切にしているのは、日本語を単なる「科目」としてではなく、コミュニケーションツールとして扱うこと。学校組織にいる限り、試験で点を取るための指導を0にすることはできません。しかし点数を追い求める勉強が原因で、生徒が日本語を嫌いになることだけは避けたいと思っています。「こんにちは」という言葉を知っているだけで、新しい世界と触れ合うことができる。人生の選択肢が増え、生徒一人ひとりの世界の解像度が少し上がる。学校を卒業してからもずっと残るであろう、この「言語によって世界とつながる感覚」を伝えることこそが、日本語教師としての私の使命だと思っています。

私にとっての同志社女子大学

興味から志へ。学びを通して視線が進化。

高校生の時点で、揺るぎない夢を持てている人は、大学や学科を迷うことなく選べると思います。しかし、「夢や目標がない」という人もたくさんいるはず。私は、そんな人にこそ日本語日本文学科をおすすめしたいと思います。この学科で学ぶのは、日本人のアイデンティティに深く関わる日本語や日本文化について。身近すぎて当たり前に思っていた日本語や日本文化も、大学教育ならではの視点で眺めると、多くの発見が得られます。その発見を深掘りすれば、ぼんやりとした興味が輪郭をもち始め、実現したい将来の夢や志に変化していくはずです。
※掲載内容はインタビュー当時のものです
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