福岡空港事務所
航空管制官
大学院文学研究科英語英文学専攻
博士前期課程 修了
英語を駆使して航空機を誘導し、
空の安全を守りつづける。
航空機の交通を整理する航空管制官として、持ち前の英語力を生かして活躍する卒業生にインタビュー。ある映画をきっかけに航空業界に惹かれ、大学で英語を学び、留学も経験した彼女が、夢を叶えるまでの道のりやお仕事についてお答えいただきました。
航空機好きな少女から、
航空機の交通整理を担うプロへ。
航空業界を題材にした映画を見て航空管制官に憧れるようになり、国際教養学科へ入学した私。しかし就活の末、内定したのは航空業界とは全く異なる会社でした。一旦は就職を決めたのですが、卒業前に大学からとあるスピーチを依頼され、入学のきっかけを思い出すことに。すごく迷いましたが、夢を諦めたくない気持ちと、先生の強い勧めが後押しになり、院に進学しながら航空管制官をめざす決断をしました。修士論文の作成と航空管制官の試験勉強を並行して行うのは本当に大変でしたが、夢を叶えられているのはあのときの頑張りがあったからこそ。当時、私の背中を押してくれた同女の先生には、本当に感謝しています。
大学生活で養った英語力を生かし、
航空機のパイロットに的確な指示を送る。
飛行場に離着陸する航空機、地上走行する航空機に対して指示を出し、交通をコントロールする飛行場管制業務が私の仕事。飛行場から半径約9㎞圏内を飛ぶ航空機にも指示をします。さらに訓練生として取り組んでいるのが、半径約100㎞圏内の広範囲を飛行する航空機に、レーダーで指示を出すターミナルレーダー管制業務。こちらもいずれは一人でこなせるよう、資格取得に向けて勉強中です。パイロットとの交信は国内であっても英語のみで行うため、在学中に鍛えた英語力を軸に、日々の仕事にあたっています。
航空機に乗る人、見送る人の姿が、
自分の仕事のモチベーションに。
航空管制官として心掛けているのが、空の安全を守るという意識を常に持つこと。そのために日頃から少しでも時間が空けば、福岡空港の展望デッキにいらっしゃる方々の様子を見るようにしています。これから搭乗する人や、それを見送りに来ている人たち。その姿を仕事の合間に目にすることで、私が指示を出すのは単なる「航空機」ではなく「誰かの大切な人を乗せた航空機」であるという責任感を、いつも忘れずにいることができています。
粘り強くスコアアップに挑み、
諦めないことの大切さを実感。
私が入学した頃のTOEFL®の成績は、学科内最低点。夏になっても点数が伸びず、周りの友達の成績と比べて焦っていましたが、先生は「伸びる時期は人によるから、諦めないで」と言ってくださいました。その言葉で前を向き、勉強し続けたことで、年末には30点近くスコアがアップ。そのおかげで、留学先であるカナダの大学の正規科目も履修できました。現地のカフェで注文した際、全く別のドリンクを渡されたりして落ち込むこともありましたが、発音練習に注力してリベンジするなど、留学中も粘り強く挑戦。大学生活を通して、今の仕事に必須となる英語力が身についたのはもちろん、何があっても諦めずに活路を拓く力がついたと感じています。
すべての管制業務をマスターし、
頼られる航空管制官をめざして。
直近の目標は、やはりターミナルレーダー管制業務の資格を取ること。一人前の航空管制官としてすべての業務をこなし、周囲の人から頼られるような存在になりたいです。その先はまだはっきりと見えてはいませんが、大学の授業と留学で鍛えた英語力と、諦めない気持ちを大切に、自分の仕事の領域を海外までも広げていけたらとイメージしています。