dwcla TALK ようこそ新しい知の世界へ

教員が語る同志社女子大学の学び

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「ジェンダー」
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「現代社会」

世界で起こるあらゆる出来事は
すべて自分に関係している
そんな気持ちで学んでほしい。

国際教養学科

Isabel FASSBENDER助教

「妊活」を切り口にして現代日本のジェンダー社会学を追究。

日本語という、私にとって新しく難しい言語への興味からベルリンの大学に進み、その後チューリッヒ大学の東洋学科で日本の文化や社会へと学問領域を広げていきました。そしてかねてから関心のあったジェンダーやフェミニズムについて、日本の文脈で追究しようと考えたのが研究の出発点です。「日本研究とジェンダー社会学」を専門に、現在は「生殖を巡るポリティクス」をテーマに研究を進めています。

直近では「現在日本の少子化社会における『妊活』言説」についての論文を執筆しました。「妊活」は2011年ごろにメディアに登場した日本独特のキーワードで、妊娠するための活動・準備を指します。女性が主体的に妊娠・出産を考えよう、というフェミニズム的な言葉遣いが散見されたことから関心を持ち、研究を始めました。
すると、妊活という言葉の流行には、企業・メディアなどが一緒になってそれを後押しし、やがて政府もこの言葉を使い始めた背景があることがわかりました。生殖というプライベートな領域にありながら、政府や企業が介入している。にもかかわらず、女性自らが主体的に関わる妊娠・出産として「妊活」が叫ばれていることを疑問に思い、調査・分析をしました。男であること、女であることの背後にはどのような社会性や政治があるのか、いかに人は性に対して主体的たりえるのかを考えています。

妊娠8か月で学会発表をするなど、この研究と並行して私自身が妊娠・出産・子育てを経験しました。本来妊活とは、妊娠が難しいためにその準備をすることであり、不妊に悩んでいる方も多いなか、妊婦の立場で学会発表をすることについては相当葛藤がありました。しかし、どんな場合でも、まったく中立的な立場での研究などありません。自分の立場を引き受けた上で、研究を進めて行きました。
ドイツで生まれ育ちましたが、現在は日本社会の一員として日本社会の研究に携わっている、そしてひとりの女性としての感情を大切にすることを念頭に研究を続けています。対象に情熱を持つことは、研究において何より重要だと考えています。

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世界や社会の課題を自分ゴトとして捉え、考え、議論します。

私が国際教養学科で担当している授業は、基礎教育科目の「アカデミックライティング」と「アカデミックスピーキング」、「国際関係論」などです。本学科では2年次生全員が海外留学をし、留学先の大学では、アカデミックな手法で英語の論文を書き、英語で議論をしなければなりません。そのためのライティングスキルや、ディスカッションにおける表現方法を指導しています。例えば、賛成意見を述べることはできても、周囲と異なる意見を述べるのは日本語でも難しいと思います。それを英語で伝えるテクニックなどを教えています。

「国際関係論」も海外留学に向けて大事な授業であり、国際政治に関する知識はディスカッションに不可欠です。国際政治は決して学生にとって遠い世界の話ではなく、一人ひとりの生活と密接に関わっていることを実感できるような授業を心がけています。例えば気候変動というテーマでは、それが日常とどうつながっているか、一人ひとりが自分ゴトとして考え、いかに行動できるのか、学生同士が議論できる授業を行っています。
海外留学前に、難しい課題に挑戦し自信を得ることも重要だと思います。そのため、環境危機、テロリズム、移民問題など、現代世界の重要テーマについて、グループで考えプレゼンテーションをする時間も設けています。学術的な英語のテキストを読んで分析し、英語で発表するのは相当な労力が必要ですが、一人ひとりが達成感を感じているようです。

私のゼミのテーマはジェンダー、現代社会学です。学生の卒業論文はさまさまで、アメリカ社会における黒人女性のシングルマザーに対する複合差別について研究する学生や、日本における子育てと仕事の両立支援の政策をテーマに掲げる学生もいます。また「かわいい」という言葉の歴史と日本社会のつながり、アイドルの研究をしているゼミ生もおり、いずれもジェンダーというテーマでつながっています。
自分で課題を見つけ出し、それについて分析し卒業論文としてまとめるのは大変ですが、だからこそ自分が最終的に納得できる形で卒論を仕上げてほしいと思っています。そのためにできる限りのサポートを心がけています。

ゼミでは、アカデミックな英文のテキストを読むことが多く、テキストを読んだ後は必ず自分はどう考えるか、自分とどう関係があるかをディスカッションしています。机上の勉強で終わりにするのではなく、学んだことを自分の力に変える。言われたことをすべて飲み込むのではなく、自分自身で考えるクリティカル・シンキング(批判的思考)の養成を目指しています。
学生には、決して自分を無力だと思わずに、社会を変える力があると考えてほしいです。そして自分の力で生きていく力を持った、自立した女性になってほしいと願っています。

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1年間の海外留学は「当たり前」の世界から飛び出す好機。

同志社女子大学の国際教養学科を選び、1年間海外留学へ行く決意をしたことは、学生の重要なアイデンティティになっていると思います。大きな意義のある学びであり、日本全国の大学生に1年間海外留学をしてほしいと思うくらいです。

私自身も高校卒業後の1年間、母国を離れてオペア留学をしました。オペア留学とは、現地の家庭に入って家事や保育をしながら言語学校へ通う留学制度です。大学入学前に勉強以外のことに挑戦するギャップイヤーを過ごすのは、ドイツではごく自然なこと。これまで生きてきた「当たり前」から離れ、異文化で生活するなかで、自分は何者で、どう生きていきたいかを考える重要な時間となりました。同志社女子大学の国際教養学科では、海外留学を通してこういった経験ができると思います。

本学科は教員の学生に対するサポートがとても手厚く、温かな雰囲気のある学科だと感じています。学生同士の仲の良さにも驚きます。全員が1年間の留学という同じ目標を持って研鑽を積み、帰国後は経験を共有できるという国際教養学科ならではの学びが、そうした雰囲気を作っているのかもしれません。

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受験生のみなさんへ

大学の4年間は、その先の人生を前向きに生きていくための準備期間です。国際社会や日本について勉強し、視野を広げるための貴重な時間を無駄にせず過ごしてほしいと思います。将来は、日本のみならず海外で暮らすなど、さまざまなライフスタイルが選択できます。周りと同じレールに乗る必要はありません。4年間で多様な価値観に触れ、あなた自身のビジョンを確立してください。

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Isabel FASSBENDER助教

学芸学部 国際教養学科 [ 研究テーマ ] 日本社会における生殖を巡るポリティクス

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卒業論文一覧

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卒業論文テーマ例

  • シングルペアレントをサポートするNGO/NPOの活動における複合差別:アメリカと日本のNPOに着目して
  • 「可愛い」の社会学
  • 「アイドル」とジェンダー行為遂行性 
  • 日本社会におけるジェンダー不平等:女性が経験する仕事と育児の両立をめぐる困難