同志社女子大学ハラスメント防止等のためのガイドライン

Ⅰ ハラスメント防止のための基本方針

 本学は、キリスト教主義・国際主義・リベラルアーツを教育理念とする教育・研究機関として、同志社女子大学(以下「本学」といいます。)に在籍する学生(科目等履修生、聴講生、外国人留学生、研究生等を含む)(以下「学生等」といいます。)及び本学を就労の場とするすべての教員及び職員(常勤・非常勤を問わない、労働者派遣法に基づく派遣労働、受託業務者を含む)(以下「教職員等」といいます。)の安全と尊厳を脅かすいかなる人権侵害も容認しません。すべての学生等及び教職員等(以下「本学構成員」といいます。)が個人として尊重され、互いに理解し協力しあって、ハラスメントを発生させない大学環境を形成することを目指します。
 本学は、この目的達成のために、学校法人同志社が制定する「同志社コンプライアンス指針」に基づき、「同志社女子大学ハラスメント防止に関する内規」(以下「内規」といいます。)を制定しました。「同志社女子大学ハラスメント防止等のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」といいます。)は、内規の内容の周知を徹底し、本学構成員が安全で快適な教育、研究、就労及び修学環境のもとで修学又は就労できるよう、ハラスメントを容認しない取組みを推進するために作成し、広報するものです。

Ⅱ ハラスメントとは

1. ガイドラインが対象とするハラスメントの定義

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 ハラスメントとは、本学における教育、研究、業務、学生活動等(以下「本学における諸活動」といいます。)の過程で、行為者の意図に関係なく、以下に定義する行為により相手の人格や個人の尊厳を傷つける人権侵害行為をいいます(この行為には、ネグレクト(するべきことをしないこと)も含みます。)。ただし、不快や苦痛があったとしても、それぞれの諸活動における適正な権限の行使で行われることは、ハラスメントとはなりません。

 内規では、ハラスメントを「セクシュアル・ハラスメント」、「アカデミック・ハラスメント」、「パワー・ハラスメント」、「マタニティ・ハラスメント」、「その他のハラスメント」に分けて定義しています。(内規第2条)

(1)セクシュアル・ハラスメント:本学における諸活動の過程で、相手の意に反する性的な言動により、相手に精神的苦痛を感じさせ、又は相手の修学若しくは労働条件に不利益を与える行為

(2)アカデミック・ハラスメント:本学における教育、研究上の優位な立場や権限を利用し又は逸脱して、指導等を受ける者の教育・研究意欲又は教育・研究環境を著しく阻害する結果となる教育・研究上不適切な行為

(3)パワー・ハラスメント:本学における諸活動の過程で、優越的な関係を背景として、これらの諸活動上必要かつ相当な範囲を超える言動によって、教育、研究、就労若しくは修学環境を害し、又は相手の人格や個人の尊厳を傷つける行為

(4)マタニティ・ハラスメント:本学における諸活動の過程で、不適切な言動により、妊娠・出産、育児休業申請・取得等に関し、相手に対し、苦痛若しくは不快感を与え、又は不利益な処遇を与える行為

(5)その他のハラスメント:前4号に掲げるもののほか、本学における諸活動の過程で、行為者の意図に関係なく、相手の人格や個人の尊厳を傷つける不適切で不当な行為

2. ガイドラインの適用範囲(内規第3条)

 このガイドラインは、本学構成員を対象とする行為があった場合に適用します。

Ⅲ ハラスメントを行わないための基本的心構え

 ハラスメントを行わないためには、まず何よりも、相手の基本的人権を尊重する立場に立つことが重要です。

1. 相手の受け止め方が基準

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 とくに性に関する言動に対する受け止め方には、個人間や男女間、立場や意識などによって大きく違いがあるため、セクシュアル・ハラスメントに該当するかどうかについては、相手がどう感じたかということが判断基準のひとつとなることに留意しましょう。親しさの表現のつもりの言動であったとしても、相手を不快にさせてしまい、相手の教育、研究、就労及び修学環境等に不利益を与えたりする場合があります。また「この程度なら相手も許容するだろう」という勝手な憶測をしたり、相手とは親密な人間関係が築けていると勝手に思い込むこともハラスメントを生む原因になります。

2. 同じ言動を繰り返さない

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 相手が拒否したり、嫌がっていることがわかった場合には、同じ言動を決して繰り返さないことが重要です。

3. 意思表示があるとは限らない

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 相手から「不快である」という意思表示が常にあるとは限りません。ハラスメントを受けた者が、指導教員・上司などといった人間関係に配慮して、拒否できない場合も多くあります。明確な拒否の意思表示がないからといって同意・合意があると安易に思いこまないようにしてください。

4. 教育、研究、業務、学生活動等の延長にも留意

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 勤務時間内・職場内、授業時間内・研究時間内におけるハラスメントにのみ注意するのでは不十分です。例えば、教育、研究、業務、学生活動等における人間関係がそのまま持続する合宿・コンパ・宴会・各種イベントなどの場面においても、ハラスメントに十分に留意する必要があります。

5. 教員と学生等間の恋愛について

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(1)教員は絶対的優位性を持つ(教員と学生等は権力関係にある)    教員と学生等とは、対等平等な関係にはありません。教員は、学生等に対して成績評価権を有することから、学生等に対して絶対的に優位な立場にあります。とくに大学院の指導教員は、研究指導や学位論文審査において最終的な判定を下す指導者として、指導下の大学院生に対して決定的な影響力を行使することが可能です。 そのため、教員と学生等の間での恋愛関係は、アカデミック・ハラスメントをも含む、深刻なセクシュアル・ハラスメント問題に移行しやすいのです。

(2)教育・研究の健全な環境を保持するために    教員は、この優位性を自覚し、学生等と不適切な関係に陥らないよう配慮する必要があります。万一、自分の指導下(評価権をもつ場合も含む)にある学生等と恋愛関係になった場合、評価の公平性や教育・研究の健全な環境を保持するために、教員は学部長・研究科長にその旨を申し出ることが望ましいと考えられます。それを受けた学部長・研究科長は、管理監督者の責務として私的関係と指導関係が並存しないよう教育・研究上必要な措置をとることとします。

Ⅳ ハラスメントの被害に遭った場合

 ハラスメントに遭ったことに被害者が責任を感じる必要はありません。自分を責めたり我慢したりせずに、事態が悪化しないうちに、ハラスメント相談を行うなど、解決へ向けて行動してください。
 ただし、相手が自分の行為がハラスメントであることを自覚していないこともあります。その行為が不快であると伝えることに無理がなければ、それだけで問題が解決する場合もあります。
 逆に、ハラスメントによって身体に危険が及ぶ可能性があるような緊急の場合には、身近にいる人や事務室などに助けを求め、場合によってはただちに警察に連絡してください。

Ⅴ 問題解決を促す対応のプロセスと手続

1. ハラスメント相談について(内規第7条~第9条) 

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(1)ハラスメント相談員(以下「相談員」といいます。)について   1)ハラスメントの相談と苦情に対応するため、学内・学外に以下の立場にある相談員を配置します。相談員の連絡先は「ハラスメント相談員一覧」でご確認ください。    ①学内の相談員(教員:各学部1名、職員:各キャンパス2名)    ②学外の相談員(臨床心理士、産業カウンセラー等)   2)相談員はハラスメントに関する相談に応じ、問題解決のための手続について説明します。

(2)相談の申込み、相談   1)相談は、ハラスメントによる被害を受けたと感じた本学構成員のほか、他の者がハラスメントをされているのを見たり聞いたりして不快に感じた者、他の者からハラスメントをしている旨の指摘を受けた者、ハラスメントに関する相談を受けた管理監督者や関係者も行うことができます。   2)相談の申込は、電話、電子メール、FAX、手紙又は直接相談員を訪問する等により行い、まずは相談日時を決めてください。   3)相談員には守秘義務があり、任務上知り得た内容、関係者のプライバシー及び秘密を漏洩することはありません。また、匿名での相談も受付けます。

(3)被害内容の記録について   ハラスメントの実情は、本人以外にはわかりにくい場合もあります。被害に遭ったと感じた際には、いつ、どこで、誰から、どういう被害を受けたと感じたか、近くで見聞きしていた人は誰であったかといったことを、できるだけ詳しく正確に記録しておくことを心掛けてください。

2. 具体的な申立て方法とプロセスについて(内規第10条)

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 ハラスメントを受けた相談者は、相談員の説明を参考にし、ハラスメント防止委員会(以下「防止委員会」といいます。)に対して、ハラスメント申立て(以下「申立て」といいます。)を行うことができます。

(1)申立ての際に求める手続   1)「調停」    ①防止委員会が設置した調停員を介して、申立書記載の行為をめぐる紛争について、申立書に相手方として記載された者(以下「相手方」といいます。)と協議し、相手方との合意形成をめざす手続です。    ②調停員は申立人及び相手方から個別に事情を聴取する等しつつ当該申立事案に関する解決案を双方に提示し、申立人と相手方が合意に至ることができるよう手続を進めます。    ③申立人と相手方が一定の合意に至った場合には、双方による合意書を作成します。     ※ハラスメントの有無については判断しません。   2)「調査」    ①申立書記載の行為についてハラスメントの有無を判断し、その結果に応じて内規第21条から第23条に定める対応を求める手続です。    ②防止委員会は、「調査」を求める申立てを受けた場合、ハラスメントがあった可能性があり、調査により問題の解決を図ることがふさわしいと認めた場合に調査を行います。    ③調査委員会は、原則として防止委員会の委員及び事務局によって構成され、申立人、相手方及びその他の関係者へのヒアリングや資料の検討などを踏まえ、ハラスメントの有無について調査を行います。調査委員には、調査の中立・公正性に配慮し、申立人及び相手方が関係する学科等の教職員及び本学における教育、研究、業務、学生活動等の過程において利害関係のない者が指名されます(内規第18条第3項~第4項)。    ④調査のために必要とする期間は6か月以内を原則としますが、調査の内容の複雑性や関係者等の人数によって調査の時間は異なりますので、6か月より早い場合もあれば、6か月より延びる場合もあります(内規第20条)。    ⑤調査委員会による調査報告が防止委員会で承認された後に、防止委員会は当事者双方に、結果(ハラスメントの認定・不認定)について通知し、学長に対し、ハラスメントに起因する問題を解決するための対応措置について勧告することができます(内規第21条)。

(2)申立ての期限(内規第10条第2項~第3項)    ハラスメントを受けたとする本学構成員は、在学中又は在職中に発生したハラスメントから3年以内に申立てをすることが必要です。ハラスメントが継続して行われた場合は、その行為が終了した日から3年以内に申立ててください。なお、病気や国外留学といった、やむを得ない事情がある場合は、3年の期間を経過しても申立てを行うことができます。

(3)解決に向けた対応(内規第10条)   1)申立てを行うことができる者は、ハラスメントによる被害を受けたとする本人に限られます。   2)申立ては、相談員又は防止委員会事務局(総務課)へ、ハラスメント申立書を提出することで行うことができます。   3)申立てが行われれば、ただちに相談員又は防止委員会事務局(総務課)から防止委員会に連絡されます。相談の内容・提出資料だけでは申立ての適切性及び解決のための最も有効な方法の判断ができない場合には、解決に向けた具体的対応を開始する前に、防止委員会が事務局を通じて予備的な調査を行う場合があります。

3. ハラスメント相談及び申立てに関する留意事項

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(1)守秘義務について(内規第25条)    相談員、ハラスメント防止委員、ハラスメント調査委員などハラスメントに関する相談又は申立ての各手続きに関与した者には、当事者ならびに相談や申立ての内容に関係する人々のプライバシーを保護するため厳格な守秘義務が課せられています。実名や相談・申立ての内容はもとより、知りえた情報について、その職務を離れた後であっても、決して他へ漏らしてはならず、違反者については懲戒処分の対象になり得ます。

(2)不利益な取扱いの禁止について(内規第27条)    ハラスメントに関する相談者、申立人や相手方、その他調査等に協力した者に対して、そのことを理由に、不利益な取扱いや嫌がらせをしてはいけません。それは、新たなハラスメントになり得ます。

(3)防止委員会及び調査委員会への協力について(内規第4条第2項)    本学構成員は、防止委員会及び調査委員会が申立てを取り扱うために実施する手続に、誠実に協力しなければなりません。虚偽の申立てをしたり、ヒアリングを拒否したり、虚偽の説明を行ってはいけません。    第三者として協力を求められた場合は、事実の確認と問題の解決のためにできるだけ協力をしてください。前述のように、調査に関係する者には、厳しい守秘義務を課していますので、証言をすることで、プライバシーが侵害されたり、不利益を被ったりすることはありません。

(4)申立人による取下げ(内規第12条第1項)    申立人は、防止委員会がハラスメントの有無を決定するまでは、申立てを取下げることができます。

(5)申立人の非協力による取下げ(内規第12条第2項)    申立てを行ってから3か月以上申立人が問題解決に協力をしないため、防止委員会が申立人に問題解決の意志がないと判断したときは、申立ては取下げられたものとみなします。    ただし、病気や国外留学のために協力が不可能である場合等、防止委員会がやむを得ない事情があると認めた場合には、この限りではありません。

(6)申立てにおける本人主義    申立てにおいて、申立人及び相手方は代理人を立てることはできません。これは、ハラスメントの申立てが学内の手続であり、学生等や教職員等の協力を前提としたものであることから、代理人を立てた場合、事実関係の解明に支障をきたす可能性があるからです。

(7)申立ての不受理(内規第11条)    申立ての内容が、過去に行われた申立てに係る事実関係と同一の事実関係を基礎としている場合や、申立て以外に適当な解決方法があると認められる場合、あるいは問題の解決が防止委員会の職務の範囲をこえている場合等には、防止委員会は理由を付して申立ての不受理を決定します。    申立てが不受理となった場合は、その旨を速やかに申立人に通知します。また必要がある場合に限り、相手方及びその他の関係者にも通知します。

(8)ハラスメントの「不認定」    調査の申立てが受理された場合でも、調査の結果、ハラスメントとされる行為の存在自体が認定できないとされることや、当該行為の存在自体は認定できるもののハラスメントには該当しないと判断されることがあります。

(9)処分と再発防止等(内規第23条~第24条)    ハラスメントの加害者が教職員等の場合には就業規則及び懲戒規程等、女子大学及び法人の関連諸規程を適用して厳正な態度で対処します。また、学生等の場合には、同志社女子大学学則、同志社女子大学大学院学則及び同志社女子大学学生懲戒規程に従って、退学、停学又は訓告の処分等を行うことがあります。    また、再発防止や二次被害防止等のために、管理監督者や防止委員会が必要な措置をとることがあります。

Ⅵ 啓発及び教育・研修活動について

 防止委員会は、ハラスメントの解決のみならず、ハラスメントの防止に関する情報の収集と提供・広報活動(Webサイト等)、相談員の指導、本学構成員に対するハラスメントの防止に関わる啓発及び教育・研修活動などに取り組み、あらゆるハラスメントを生まないキャンパス環境を作り上げる努力を、今後とも続けていきます。

Ⅶ ハラスメントの具体的な事例

セクシャル・ハラスメント

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  • よい成績と引き換えに性関係を求める。
  • 人事や勤務条件と引き換えに性関係を求める。
  • 研究指導の見返りとして、身体接触をしたり、交際を要求したりする。
  • コンパなど飲み会への出席を要求する。
  • 「女は・・」「男は・・」という言葉を連発し、特定の性別役割観(女性像、男性像)を押しつける。
  • 相手が返答に窮するような性的又は下品な冗談を言ったり、からかったりする。
  • 「彼氏はいるの?」などプライベートな質問をする。
  • 無理やり携帯の番号を言わされる。
  • 個人の外見を評価し、「かわいい」、「きれい」、「化粧が濃い」などと言う。
  • スリーサイズを聞くことや「ちょっと太ったんじゃない」、「ちょっと痩せたんじゃない」など身体的特徴を話題にする。
  • 個人的な性体験などを尋ねたり、経験談を話したりする。
  • 「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花であればいい」などと発言する。
  • 性別により差別しようとする意識等に基づいて、「男の子、女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方をする。
  • 女性であるというだけで職場でのお茶くみ、掃除、私用等を強要する。
  • 相手の身体の一部(肩、背中、腰、頬、髪など)に不必要かつ意識的に触れる。
  • 性的な関係を強要すること
  • 一人暮らしのアパートに来たり、ホテルに呼び出す。
  • 食事やデートにしつこく誘う。
  • カラオケでのデュエットを強要する。
  • 親睦会、終業後の付き合いなどで、下品な行動をとる。
  • やたらと写真をとる。
  • ラブレターやプレゼントなどを送りつけてくる。
  • 卑わいな写真、映像又は文章などを見ることを強要する。
  • 卑わいな写真等をPC の壁紙にしたり、室内に張るなど扇情的な雰囲気を作る。
  • 相手の身体の上から下まで長い間じろじろ眺めたり目で追い、なめるように見る。
  • 「えっ、君こっちなの?(逆手にした手のひらを顔に近づけるポーズ)」という。
  • 「結婚すれば男性が稼いでくれるのだから」と言って親身の指導をしない。
  • 特定の学生に対して指導を拒否したり侮蔑的な言葉を言ったりする。

アカデミック・ハラスメント

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  • 課程の修了までに十分な時間があるのに、早い時期に、標準修業年限での修了が困難であるなどと発言する。
  • 正当な理由無く、進級・卒業・修了を認めない、単位を与えない、卒業・修了の判定基準を恣意的に変更して留年させる。
  • 本人の意に反する研究テーマや研究計画を押し付ける。
  • 正当な理由なく就職や他大学進学に必要な書類を書かない。
  • 就職活動を禁止する。
  • 「結婚したら研究者としてやってはいけない」などと言って、結婚と学問の二者択一を迫る。
  • 他の教員に指導を受けること、研究に関して他の人と相談することを禁止する。
  • 職務上知りえた学生・教職員の個人情報を他の学生や教職員に告げてまわり、当人を大学に居づらくする。
  • 正当な理由なく、休日や休暇中の研究室等への来室を強要する。
  • 深夜の指導や、他人の目が行き届かない状況で個人指導を行う。
  • 家族関係・友人・恋人のことなど、プライベートな事について根掘り葉掘り聞く。
  • 時間を気にせず、頻繁にメールやチャット、電話をする。
  • 頻繁にチャットやメールなどで報告するよう強制する。
  • 特定の学生又は学生全般に対して、指導を拒否したり指導過程で人格を侵害するような侮辱的な発言をする。
  • 「お前は馬鹿だ」、「(研究を指して)子供の遊びだ」、「こんなものを見るのは時間の無駄だ」、「ゼミに出る資格がない。出て行け」、「死んでしまえ」などと発言する。
  • ささいなミスを大声で叱責する。
  • 長時間(例えば1時間以上、あるいは、次の予定があるにもかかわらず)叱責する。
  • 特定の学生等に対してのみ、不当に低い評価を行うなど評価を適正に行わない。
  • 特定の学生だけをちゃん付けで呼ぶなど、特別に扱う。
  • 正当な理由無く特定の学生に実習等で過度の負担を強いる。
  • ミスをした学生に「ダメな学生」とレッテルを貼り、挽回のチャンスを与えない。
  • 正当な理由なく、提出された論文やレポートを受け取らない。
  • 正当な理由なく、提出された論文やレポートを放置したまま指導しない。
  • 面前で論文やレポートをゴミ箱などに捨てたりする。
  • プライベートな行動(食事・買い物・コンサート等)に付き合うことを強制する。
  • 会議や行事など、必要な情報を故意に教えない。
  • 「研究者ならこの英語の専門書を一晩で読んで来い」等常識的に達成不可能なレベルの課題を与える。
  • 文献・図書や機器類を使わせない。
  • 正当な理由がないのに研究室への立ち入りを禁止する。
  • 本来研究費から支出すべきものを、学生・部下等に負担させる。
  • 共同研究の発表に関して、研究に関与していない人を参加者として表示することを求める。
  • 実験を行う・アイデアを出すなど研究を主体的に行って、その研究に最も大きな貢献をした者を第一著者にしない。
  • 当該研究に全く或いは少ししか関わっていない者を共著者に入れることを強要する。
  • アイデアを盗用する。
  • 研究データの捏造・改ざんを強要する。

パワー・ハラスメント

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  • 正当な理由なく、特定の人に重要な仕事を割り振らない、又は仕事を与えない。
  • 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる。
  • 管理的業務の遂行方法に疑問を示したり、改善意見を提案したことに対して適切な対応を行わず、「精神的に問題がある」、「問題児だ」など人格を侵害するような発言をする。
  • 人格を否定するような発言を繰り返す。
  • 出身や学歴など職務と無関係なことを非難する等、侮辱する。
  • 机や椅子などを叩いたり、蹴ったり、書類を破いたりする。
  • 経験や知識を無視した過大で複雑な仕事などを割り振り、早急な実現を求めた上、実現できなかったり不十分な点があると繰り返し非難する。
  • 「無能」、「ばか」、「やめてしまえ」など人格を侵害するような発言をする。
  • 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する。
  • 会議等において部下の意見を無視し、自分の意見や方針について質問されると、質問に答えず、自分の意見や方針を押し付ける。
  • 個人の意見の相違を理由として、正当な理由なく人事上の不利益な措置を示唆したり、実際にそのような措置をとる。
  • 私的なグループへの参加を求め、参加しなければ人事上の措置等について不利益が生じることを示唆する。
  • 私的なことに過度に立ち入る。
  • 部下の職務遂行上の失敗やミスを繰り返し追及したり、人前で大声で叱責する。
  • 他の教職員の前でひどい暴言を吐いたり、必要以上の叱責を繰り返す。
  • 就業上の能力を獲得するために必要な指導等を、特定の個人に対してのみ行わない。
  • 適切な指示、業務遂行に必要な情報を与えない。
  • 職務上知りえた個人情報やうわさを周囲に告げてまわり、当人を職場に居づらくさせる。
  • 一人だけ別室で業務させる等、他の教職員から隔離する。
  • 無視する等、存在を認めないような対応をする。
  • 飲み会等への参加を無理強いする。
  • 飲み会等で参加者に飲酒を強要する。
  • 部下に対して、個別的に深夜にいたるまで業務を行わせたり、人の目が行き届かない状況で業務を行わせる。
  • 本来業務と異なることを要求し、仕事の妨害をする。
  • 暴行や傷害に至る肉体的な暴力をふるう。
  • 部下から上司に対して、経験や知識、集団(数)といった優位性を背景に行われる嫌がらせとして、例えば、別の上司の指示を優先する、指示した内容をわざと無視する、業務上必要な情報を与えないなど。

マタニティ・ハラスメント

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  • 産前休業の取得を上司に相談したところ、「休みをとるなら辞めてもらう」と言われた。
  • 時間外労働の免除について上司に相談したところ、「次の査定の際は昇進しないと思え」と言われた。
  • 育児休業の取得について上司に相談したところ、「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。
  • 妊婦検診のために休暇を取得したいと相談した学生等や女性教職員等に、上司等が「病院は休みの日に行くものだ」などと言い、相談にのらない。
  • 「就職したばかりなのに妊娠して、産休・育休取るなんて図々しい」と発言する。
  • 上司・同僚が「所定外労働の制限をしている人にたいした仕事はさせられない」と繰り返し又は継続的に言い、専ら雑務のみさせられる状況となっている。
  • 上司・同僚が「自分だけ短時間勤務をしているなんて周りを考えていない。迷惑だ。」と繰り返し又は継続的に発言する。
  • 育児時間を取得している教職員等に対し、同僚が「あなたが早く帰るせいでまわりの人は仕事が増え、迷惑している」と発言する。
  • 上司に妊娠を報告したところ「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた。
  • 妊娠を伝えた学生等や教職員等に対し、「次の契約更新はしない」「他の人を雇うので早めにやめて欲しい」「退学(休学)しなさい」と発言する。
  • 上司・同僚が「妊婦はいつ休むかわからないから仕事は任せられない」と繰り返し又は継続的に発言し、仕事をさせない状況となっている。
  • 上司・同僚が「妊娠するなら忙しい時期を避けるべきだった」と繰り返し又は継続的に発言する。
  • 妊娠したことを伝えた研究者に対して、指導教員が「子どもを取るか、研究を取るかどっちかにしろ」と発言する。

その他のハラスメント

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  • 根も葉もないうわさを流す、身体的特徴をからかう、無視や仲間はずれなどのモラル・ハラスメント(言葉や態度等で繰り返し相手を攻撃する精神的暴力)。
  • 飲酒を強要したり、無理に宴席へ誘うこと、アルコールの一気飲みを強要する、酔ってからむこと等酔った上での迷惑行為などのアルコール・ハラスメント(アルコールに関係した嫌がらせ)。

Ⅷ 問題解決の手続きの流れ

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ハラスメント防止