ブックタイトル同志社看護 第4巻2019年
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同志社看護 第4巻2019年
認知症の人の睡眠障害への看護支援に関する文献検討研究方法デザイン調査内容・調査期間介入有無と内容結果・成果実態調査(睡眠測定と睡眠日誌,質問紙調査)(パイロットスタディ)7日間連続の昼夜を観察・アクチグラフ(A.M.I社製)と睡眠日誌,PANAS尺度(PA:興奮,気力,注意深さ,決意,エネルギー,NA:苦悩,恐れ,イライラ,神経質,おびえたなど)-高齢介護者の睡眠状態と感情の関連を評価した結果,PAとの関連は認められなかった.介護者は夜間の中途覚醒は避けることができず,総覚醒時間と主観的睡眠状態はNA得点と有意に関連していた.介護者の主観的な睡眠感が平均かそれよりも高い場合は,NA得点が低かった.介入研究(質的研究,事例研究)(パイロットスタディ)観察研究による実態調査(パイロットスタディ)電話による10 ? 20分の介入計画に基づくインタビュー介入段階:1.20名の患者を対象に教室開催,患者のニードを明らかし睡眠相談のビデオを見せ,初回の介入と振り返りを約束する.2.手紙又は電話で調査協力を依頼する3.初回介入に参加したものへ研究チームから0週目から終了まで質問紙を送るNPI-NHスケール(認知症BPSD評価スケール)睡眠とカフェイン消費量は質問紙調査-主要カテゴリーⅠ:介入協力への契約(同意),テーマ1:協力への壁(サブテーマ:手順の協力が得られない,タイミング,.意図された情報や内容が伝わらない),テーマ2:ファシリテータによる介入契約(サブテーマ;手順の遵守,通常の実践者の行動)主要カテゴリーⅡ:介入の受け入れと理解,テーマ1:家庭医や看護師の受け入れ(サブテーマ:家庭医や看護師が介入訓練をしない),テーマ2:患者中心の価値,実践者の責任,主要カテゴリーⅢ:患者の遂行への壁,テーマ1:患者の性格,テーマ2:実践者の理解度,患者の質,実践者の責任患者は介入の成功に向けて努力した.電話によるインタビューの質的研究方法は深いデータ収集に効果的で,観察介入は遂行(厳守)を決定づける重要な要素であった.中等度から重度認知症高齢者の場合,日中のカフェイン摂取量と無関心,夜間覚醒回数に有意な関連が認められた.重回帰分析によりカフェインと異常な運動及び無関心とは負の相関が,夕方6時以降のカフェイン摂取は,夜間覚醒回数と有意に関連していた.カフェイン量の調整が,無関心,睡眠障害を伴う行動心理症状への学際的なアプローチにつながる可能性が認めれた.実態調査Mixedmethods(混合研究方法)3側面の健康に関する質問紙,介護者および家庭医のインタビューからなる-・介護者の不眠,疲労感,疼痛は最も顕著な症状であった.全般的に身体的な機能や疼痛などの健康状態は一般の人々よりも悪かった.・介護者は,ヘルスケアニーズを明らかにするためのプログラムを導く成果を報告し,介護導入から軌道にのった時期においても介護者をサポートする適切なケアを供給する必要がある.実態調査(質問紙調査による2群比較)高齢者と介護者の睡眠状態(睡眠時間,中途覚醒),健康状態,内服状況,精神的健康度(抑うつ)-介護者の睡眠問題は高齢者の睡眠障害に起因していた.睡眠時間と中途覚醒回数は対照群7時間5分あたり1.2回に対して介護者は6時間20分あたり2.3回覚醒であり介護者の睡眠時間は短く中途覚醒回数が多かった.介護者には介護負担感と抑うつ,高血圧等の身体的な健康問題が生じていた.睡眠障害への対応は非薬物療法が第一選択であるが介護者も同時に介入が必要であった.実態調査(睡眠測定)14日間のアクチグラフによる測定4つの独立変数で分析した1日中の安定性,2日内変動,3活動リズムと広さとの関連, 4 24時間の活動レベル-施設入所者の生活は,日中のリズム,日毎のスケジュールには地域高齢者とほとんど違いがないが,休息・覚醒がより分断され日内変動が大きかった.その一方で活動性が低く,施設のケア環境そのものが休息・覚醒パターンと負の関連をしていることが明らかとなった.今後も長期的に様々な原因との関連を研究する必要性が示された.介入研究,教育プログラムの企画・実施・評価教育プログラムの実施による介入と評価(1回/週×4回)および事例検討アクチグラフによる睡眠測定,経営者とスタッフを教育する教育プログラム参加スタッフが対象に応じた介入プログラムを計画し実施する光暴露や身体的活動等が睡眠改善の助けとなる実行可能な睡眠衛生教育や夜間の問題行動対策を明確にし,教育プログラムの実施により,臨床的で経験に基づく睡眠改善のエビデンスを示した.この非薬物療法は,老人ホームだけでなく地域で暮らす認知症の人にも適用できる.介入を伴う実態調査(インタビューと質問紙調査)(パイロットスタディ)インタビュー:質問紙:PSQI,性別,人種,結婚,教育,喫煙暦,慢性疾患の有無ウォーキングを中心とした12~18週間の運動プログラムの効果測定前の予備介入対象者の54%に居眠りを認め,平均居眠り時間は55分,男性,アフリカ系アメリカ人に有意に高かった.糖尿病の比率が高く,エネルギー消費や疲労得点が低かった.居眠り群は,夜間の睡眠の質が悪く,一日の総睡眠時間が有意に長かった.多変量解析により居眠り時間の長さと,性別(男性),体格指数(BMI高値),糖尿病,MMSE低値が有意に関連した.実態調査(睡眠測定と質問紙調査)7日間のアクチグラフ,睡眠日誌,日中の眠気,日中の活動,疲労スケール,抑うつ症状-・客観的評価により,介護者の夜間の睡眠時間が有意に短く,寝つきに時間を要し睡眠効率が低かった.両者とも寝起きには相当の時間を要していた.・主観的評価では,介護者は抑うつ症状認め,日中の眠気が強くその前兆症状は総睡眠時間が延長していた.内服薬の数や健康状態には差がなかった.介入を伴う実態調査(質問紙調査,フォーカスグループインタビュー)調査項目(4段階リッカートスケール)1睡眠障害をもつ高齢者の振り返りで医師が重要とみなす課題2非薬物療法・代替療法の壁3高齢者の不眠治療に非薬物療法を可能とする要因自由記載:非薬物療法バリアについて高齢者の構造面接1睡眠障害の知識2医師とのやりとりの方法3代替療法への態度・医師は睡眠障害の管理において薬物療法とともに,生活習慣要因(カフェイン摂取や運動,日中の居眠り)の配慮も重要としつつも,非薬物療法実現の壁を患者の薬への期待,非薬物療法が効果的となるためには患者の努力を要すると指摘していた.・高齢者の不眠原因の一部は関節痛,睡眠問題は不眠や早朝覚醒であった.患者は,短い診察時間に不満足で非薬物療法(代替療法)の説明を受ける時間がなく,睡眠障害への支援はなされていなかった.代替療法の説明や訓練会が近隣地域で開催されて参加しやすければ代替療法を前向きに取り組む要因となることが示唆された.35