ブックタイトル同志社看護 第4巻2019年
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同志社看護 第4巻2019年
ターでの周手術期管理チームの活躍が期待される。文献Ⅴ.本研究の限界本研究の対象者は1施設に限ったものであり,肺切除患者全体の健康関連QOLおよび不安・抑うつ状態の結果を示すには不十分である。また,対象者のPS(Performance Status)および病期のデータ収集が不十分であるため,それらの影響を考慮した心理状態および健康関連QOLの推移の検討が必要である。Ⅵ.結論1.肺切除患者の入院前と入院日のPF,RP,BP,GH,VT,SF,REは,60歳代平均値とほぼ同等の値であったが,MHは低値を示していた。また,退院後はPF,RP,BP,GH,VT,SF,RE,MHいずれの値も60歳代平均値より低値を示していた。2.「不安疑い」または「不安あり」の状態にある肺切除患者は約3割であった。また,退院時においては,「不安あり」と回答した患者が4時点の中でも最も多くなっていた。不安得点については,入院日にもっとも高く,その後軽度低下傾向を示したが,時間による主効果は認められなかった。3.「抑うつ疑い」または「抑うつあり」の状態にある肺切除患者は,入院前と入院日は約3~4割であったが,退院時や退院後は術前よりも増加し,5割以上となっていた。特に退院後には「抑うつあり」の患者が増加していた.抑うつ得点については,時間の主効果は認められなかったものの,徐々に上昇し退院後に最も高い得点となっていた。4.肺切除患者の周手術期の不安・抑うつを低減し,健康関連QOLを高めるためには,周手術期管理チームが入院前から患者に対して,精神的支援と退院後の疼痛や身体機能の低下を見据えた介入を行っていくことが必要である。謝辞:本研究に快くご協力いただきました研究対象者の患者様に感謝いたします。また,研究にご協力いただきました関係施設の看護師長および看護師の皆様,呼吸器外科の先生方に感謝いたします。本研究は,平成23年度香川大学医学部重点化プロジェクト経費の助成を受けて実施した。本研究に関してはすべての著者に開示すべき利益相反はない。秋保光利,泉﨑雅彦(2016):開胸術施行患者の退院時における不安と呼吸困難感胸部疼痛との関連.昭和学士会誌.76(3):308-315.Committee for Scientific Affairs, The JapaneseAssociation for Thoracic Surgery(2016):Thoracic and cardiovascular surgery in Japanduring 2014. Gen Thorac Cardiovasc Surg. 64(11): 665-697.福原俊一(2002):臨床のためのQOL評価と疫学.日本腰痛学会雑誌.8(1):31-37.福原俊一,鈴鴨よしみ(2004):SF-8日本語版マニュアル.京都:NPO健康医療評価機構.福原俊一,鈴鴨よしみ(2011):SF-36v2日本語版マニュアル.京都:NPO健康医療評価機構.源河朝治,櫻井初恵,島袋勝臣他(2014):肺がん術後患者の退院直後の生活体験.沖縄県看護大学紀要.15:95-100.畑山直美(2006):徹底整理!肺がんケアの基礎知識術前・術後ケア.呼吸器ケア.12(2):703-711.八田宏之,東あかね,八城博子他(1998):HospitalAnxiety and Depression Scale日本語版の信頼性と妥当性の検討-女性を対象とした成績-.心身医学.38(5):309-315.Heuker, D., Lengele, B., Delecluse, V., et al.(2011):Subjective and objective assessment of quality oflife after chest wall resection. Eur J CardiothoracSurg. 39(1): 102-108.堀井直子(2002):肺がん患者の復職に関する体験.医学と生物学.152(11):490-494.石坂勇人,阿久津瑞季,秋山純和他(2016):肺がん切除術前後のSF-36による健康関連QOLと6分間歩行試験の関連.理学療法科学.31(4):559-561.伊藤友美,水谷百合子,坂本良江(2002):呼吸器疾患患者の入院時健康関連QOLの分析.磐田市立総合病院誌.4(1):75-78.門倉光隆,野中誠,山本滋他(2001):開胸術前後のQOLと呼吸困難感の検討.日本外科系連合学会誌.26(2):223-228.松下年子,松島英介(2005):手術を受ける消化器癌患者の不安,抑うつおよびQOL(Quality of Life)と対処行動の関連.日本保健科学学会誌.8:5-14.松下年子,村田比奈子,松島英介他(2005):手術を16