ブックタイトル同志社看護 第4巻2019年

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概要

同志社看護 第4巻2019年

肺がん手術患者の周術期におけるQOLおよび不安・抑うつの推移分析対象者の内訳は,男性20名(62.5%),女性12名(37.5%)で,平均年齢は66.8±11.9歳(21~91歳)であった。また,術式は胸腔鏡下手術が21名(65.6%),開胸手術が11名(34.4%)で,右肺葉切除が17名(53.1%),左肺葉切除が8名(25.0%),右肺複数領域切除が6名(18.8%),左肺全摘が1名(3.1%)であった。さらに,全身麻酔の手術経験があったのは19名(59.4%),なかったのは13名(40.6%)であった。胸腔鏡下手術患者の平均術前在院日数は5.8±0.5日,平均術後在院日数は8.8±0.9日,開胸手術患者の平均術前在院日数は7.1±1.2日,平均術後在院日数は12.9±1.4日であった。2.入院前から退院後におけるHADSの推移(表2・図1)不安得点の平均値は,入院前5.4±4.1点,入院日5.8±4.6点,退院時5.1±4.2点,退院後4.9±3.9点であった。不安得点は,入院日に最も高い値を示し,退院後にかけてやや低下したものの,時間の主効果は認められなかった(F=0.779,p=0.470)。2)抑うつ得点「抑うつ疑い」または「抑うつあり」は,入院前11名(34.4%),入院日15名(46.9%),退院時17名(53.1%),退院後17名(53.1%)であった。抑うつ得点の平均値は,入院前5.7±4.0点,入院日7.0±4.5点,退院時7.0±3.9点,退院後7.2±5.0点であった。抑うつ得点は,入院前に比べ入院日以降は上昇し,さらに退院後にさらに軽度上昇したが,時間の主効果は認められなかった(F=2.123,p=0.119)。1)不安得点「不安疑い」または「不安あり」は,入院前8名(25.0%),入院日10名(31.3%),退院時9名(28.1%),退院後9名(28.1%)であった。3.入院前から退院後におけるSF-8の推移(図2)PFの平均値は,入院前49.3±5.7点,入院日49.8±5.2点,退院後43.9±7.8点であった。入院前と入院日は60歳代の日本国民平均値(以下,60歳代平均値)表2対象者の不安・抑うつ状態人人人人図1対象者のHADS得点の推移11