ブックタイトル同志社看護 第3巻

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概要

同志社看護 第3巻

7)ナースコール領域ナースコール領域では,「ナースコールが顔の横にある」「ナースコールが枕元にある」ことに気づき,「押しにくそう。手元にあったほうがいいのではないか」「この人は,届くのかどうか」「いつでも押せる状態にある」と考えていた。8)付き添いの手領域付き添いの手領域では「ベッドに手がある」ことに気づき,「家族が見守っている」「親族・友人が見守っている」と考え,「周りの人に対しての不安の緩和」を必要な援助としていた。Ⅳ.考察1.対象学生が模擬患者画像を観察した軌跡の特徴模擬患者画像を観察した視線を分析した結果,観察期待領域別の注視時間の合計・注視割合時間・注視回数ともに,我々が,観察内容として意図して作成した点滴,酸素,吸引の領域が多く観察されていた。臨床経験が長いほど,重要な内容の注視時間や注視回数が長い傾向にある(河合・森本・井形他,1998,p.24-26;西方・牧岡・中澤他,2012,p.13-15)や看護学生4年生のほうが1年生より注視時間と注視回数が多かった(大黒・斉藤,2013,p.949)と述べているように,今回の対象学生は,基礎看護学実習の3週間に加え成人看護学実習2週間を履修しており酸素吸入や点滴が観察しなければならない内容と認知し,注視時間や注視回数が多かったと考える。初回観察期待到達時間では顔領域に最も早く到達していた。西方ら(2012,p.13)によると,顔領域は新人看護師でもベテラン看護師でも共通して顔色や表情から対象の状態を把握するために探索的な観察を行っていたとされ,林ら(2015,p.20)も看護学生4年生は1年生に比べて注視時間,注視回数ともに多くなる表6視線計測後の観察期待領域別の記述内容18