ブックタイトル同志社看護 第2巻

ページ
7/62

このページは 同志社看護 第2巻 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

同志社看護 第2巻

同志社看護Doshisha Kango Vol.2, pp.1-6, 2017-寄稿-同志社女子大学看護学部におけるキャリア教育の現状と今後の展望についてOn the Current Status and Future prospects of Career Education atFaculty of Nursing,Doshisha Women's College of Liberal Arts山崎聡子1)Satoko Yamazakiキーワード:看護学生,キャリア教育,キャリア形成支援Ⅰ.はじめに1999年文部科学省中央教育審議会答申による発達段階に応じたキャリア教育実施の提言をきっかけに,わが国の学校教育においてキャリア教育が導入されるようになった。2000年日本看護協会により「継続教育の基準」が作成され,組織による看護職のキャリア開発支援の方向性が示された(日本看護協会,2012)。これを受け,病院等の組織による看護職のキャリア開発を支援する研修実施などの取り組みが,看護学生のキャリア教育導入への流れにつながったと考えられる。2015年4月同志社女子大学看護学部が開設されてから,約2年が経とうとしている。同学部開設時から開講されている「看護実践総合演習」において,キャリア教育を担当する外部講師として講義内容を紹介した上で,約10年前より医療機関での新人看護師を含む看護職のキャリア開発研修や相談業務に携わる中で感じるキャリア形成の課題について論じたい。これらのことを踏まえて,今後の看護学部におけるキャリア支援の取り組みについて提言したい。Ⅱ.キャリア教育とは「キャリア教育とは何を教えるものですか」と学校関係者や学生に現在でも問われることがある。キャリア教育は10数年前にわが国に導入されるようになったものの,「キャリア」という言葉は社会でさまざまな意味で用いられており,キャリア教育を意味するものは理解しづらいと感じる。キャリア教育の実施を提言した中央教育審議会の答申による「キャリア」「キャリア教育」「キャリア発達」の定義を示したい。・キャリア-人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね・キャリア教育-ひとり一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育。キャリア教育は普通教育・専門教育を問わず様々な教育活動の中で実施される・キャリア発達-社会の中で自分の役割を果たしながら,自分らしい生き方を実現していく過程(文部科学省,2011)近年,大学の看護系学部が就職に有利な学部のひとつとしてあげられており,志望する生徒も増えているが,看護職について十分な理解がないまま入学し,学習についていけず学習意欲を失う者も見ら1)リブコンサルタントLib Consultant1