ブックタイトル同志社看護 第2巻
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同志社看護 第2巻
ホスピス・こどもホスピス病院と看護に来てくださる方もありますし,毎日のように色んな楽しいことがあるということをとても大事にしていて,音楽療法,ホスピタルクラウン,紙芝居,お笑い福祉士さん,体操,臨床美術,アーティスト,工作,ミュージカル,落語,文楽等,スポット的にお願いして来てくださる方もあります。がんの子どもさんもそうですし,お家におられる重度の肢体不自由児の子どもさんたちの中でも,本当にお家から出たことが無く,そういうイベントに参加する機会がない方も多いです。がんの子どもさんは小児病棟では治療中ずっと外に出ることが出来ませんので,ごきょうだいやご家族と一緒に楽しい思い出を作るということが難しいですので,こういうイベントを通して楽しい思い出を作っていただく事を大事にしています。ボランティアさん達は子どもホスピスの方は今29名おられるのですが,イギリスのヘレンハウスは8床でボランティアが500名いると言っておられました。ものすごく沢山のボランティアがおられたのですね。イギリスのボランティアさん達は,色んな働きがあって,子ども1人にボランティア1人,とにかく子どもさんが一人ぼっちにならないように,「あなたの為に私はいます」っていう存在を必ず作っていますと言われました。当院の場合はまだ1日にボランティアさん1人から多いときで3人なので,まだまだ少ないと思っていますけれど,何も出来なくてもこどもの傍にいるだけでもいい,子どもさんが一人ぼっちにならないようにすることがとても大事だとお話しています。その他に園芸や,あかりを提供してくださるボランティアさんがありますが,ヘレンハウスで感じた「あなたは本当に大切な神様から作られた大切な存在」ということ,「あなたはここにいてもいいんだよ」という風に感じていただくようになる為にもボランティアさんが傍にいていただくというのはとても大事なことだと思っています。子どもホスピスの様子はDVDで観て頂いた方が本当によく分かると思いますので今から15分位のDVDを観て頂きます。これは2013年の8月にかんさい情報ネットtenで放映されたもので,がんの子どもさんが当院でどう過ごされたかを特集して下さっています。~DVD上映~『小児がんの少女と家族の4か月』かんさい情報ネットtenよりDVDで見ていただいたように実際のところ本当にこんな感じです。最初,特にがんの子どもさんのご両親がこどもホスピスにと勧められた時は「えっ」っていう感じになるんですけれども,実際に来られて,今まで小児病院では出来なかったことが出来るということや,ごきょうだいと一緒に過ごすことができます。小児病院では,ごきょうだいも自分の病気のきょうだいがどういう状態なのか知ることが出来ませんが,ここでは病気のことをごきょうだいにどういう風に伝えようかということも一緒にご両親と相談しながら伝えていっています。ごきょうだいにとっても,病気の自分のきょうだいと一緒にこのような所で過ごせることはとても意味のあることだと思っています。亡くなられてからも遺族会を年に1回していまして,今まで2回もちました。ご両親ときょうだいは別々にカウンセラーがファシリテートしています。ご両親には,その時々で過ごされたこと,今どうしておられるのかというお話を一緒にして,お互いにアドバイスできるようにしています。ごきょうだいは年齢別に分けて一緒に遊ぶ中で,思いを聞いたり,変化を見たりしています。亡くなられてからのお見送りは,一般の病院は,普通入る時は玄関から入って帰る時は裏口からですが,ホスピス・こどもホスピス病院はホスピスだけの病院になりましたので,入られた所,正面玄関からお見送りをして,顔は覆わずにお車まで移動して,好きな音楽を流したり,事務職員も一緒にお見送りして,子どもさんの場合には胸には手作りの金メダルを付けて帰っていただくようにしています。子どもホスピスは日本にまだひとつしかないのですが,いろんな動きがあります。大阪の鶴見緑地にも,子どもホスピスが来年の春にオープンする予定と聞いています。東京の成育医療センターにも来年の春,子どもホスピスができる予定になっています。小児がんの子どもさんは大人に比べると本当に少なくて,年間約300人,大体が治るがんの方が多いので,亡くなる方は本当に少ない中,看取りもできる専門施設が日本にも必要だということで創りました。また今,NICUでの治療がすごくよくなり,本当49