ブックタイトル同志社看護 第2巻
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同志社看護 第2巻
看護学部における地域住民参画型教育の取り組みと今後の課題に本学部では,1年次から段階的に積み上げていく形で「看護実践総合演習Ⅰ~Ⅳ」を必修の科目として設置しており,1)看護職者としての基本的な姿勢の習得,2)臨床判断能力の育成とそれに基づく看護実践能力の習得を目指している。1年次に開講した「看護実践総合演習Ⅰ」の授業目標は,「看護職者としての基本的な姿勢の習得,既習得の知識を選択・統合した臨床判断能力の育成とそれに基づく看護実践能力を習得する」,「状況設定のシミュレーション学習や臨地実習で遭遇することの多い場面設定による看護OSCEにより,自己の課題を明らかにし自己学習へとつなげる」等を設定した。主な講義内容は,キャリア学習,アカデミックライティング,シミュレーション学習,看護OSCEである。看護OSCEは1年間の学びの最終時期である2月に設定した。看護OSCEは,提示された課題に対して,エビデンスに基づく看護アセスメントとそれに基づく観察や看護の提供を一連のプロセスとして,限られた時間(15分程度)で模擬患者を対象に実施し,模擬患者と教員からフィードバックを受ける,という流れで設定した。さらに,臨床に近い状況設定とし,よりリアリティを持たせることを目的に,地域住民をSPとして養成することを計画した。次章で,SP養成と看護OSCEへの参画支援の実際を述べる。Ⅲ本学看護学部におけるSP養成と看護OSCEへの参画支援について1 SP支援ワーキンググループの設置地域住民SPの養成と、看護OSCEへの参画支援を目的に,8名の教員で構成された「SP支援ワーキンググループ(以後SP支援WK)」を設置した。本学は薬学部で既にSP養成・OSCE参画の実績があったため,薬学部教員から助言を得た。それをもとに,募集活動,説明会,講習会等を含めた年間スケジュールを決定した。2 SPの募集1)募集活動SPの募集活動は8~9月に,下記の方法にて実施した。いずれも内容は,SPの概要,説明会の日時・場所とした。広報の結果,地域住民25名(京田辺市在住22名,京都市在住2名,奈良市在住1名)からSP説明会参加応募を得た。(1)京田辺市役所広報誌への掲載本学京田辺キャンパスがある京田辺市の京田辺市役所に,広報誌「広報京たなべ」への募集記事の掲載,市役所関連施設への募集チラシの配架を依頼し,協力を得られた。(2)本学ホームページでの広報本学卒業生用ホームページへの掲載および本学卒業生用メールマガジンでの発信を行った。2)SP説明会の開催SP説明会に応募のあった地域住民25名を対象に,下記の要領で説明会を実施した。ねらい:1本学部の教育理念と看護OSCEの位置づけを説明する。2看護OSCEおよびSPの概要について説明する。内容:本学部の教育理念,看護学教育における看護OSCEの位置づけと目的,SPとは何かについて説明した。また看護OSCEの流れと,SPの動き,フィードバックの方法について説明した。また,プライバシーの保護,課題についての守秘義務等のSPの心得について強調した。次に,先述した内容をイメージしやすいよう,SP支援WK自作のOSCE場面を演じた映像を用いて,看護OSCEおよび模擬患者の概要について説明した。会の最後に,SPとしての登録意思を確認したところ,参加者全員から登録の意思を確認できた。登録希望者には登録申請書,誓約書の提出を依頼した。登録者の概要は,男性7名,女性18名,40歳台1名,50歳台4名,60歳台13名,70歳台6名,80歳台1名であった。39