ブックタイトル同志社看護 第2巻
- ページ
- 20/62
このページは 同志社看護 第2巻 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 同志社看護 第2巻 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
同志社看護 第2巻
ない群の孤独感が有意に高かった(p=0.004)。LSIKでは,高群の孤独感得点が33.7±8.1点と,低群の40.5±9.3点に比較して有意に低かった(p<0.001)。3.閉じこもりリスクと孤独感の関連閉じこもりリスクの程度別の孤独感得点の平均は,非閉じこもり群が36.2±8.9点,閉じこもり予備群が41.9±9.8点,閉じこもり群が45.8±8.7点で,非閉じこもり群から,閉じこもり予備群,閉じこもり群と,閉じこもり傾向に伴い孤独感得点が高まる結果が得られた。また,閉じこもりリスクを独立変数,孤独感得点を従属変数とした一元配置分散分析の結果,3群間で有意差が認められ(p<0.001),多重比較の結果,非閉じこもり群の孤独感が閉じこもり予備群,閉じこもり群に比べて有意に低かった(それぞれp<0.001)。さらに,閉じこもりリスクを独立変数,孤独感得点を従属変数とし,孤独感得点と有意な関連が認められた9項目(性別,近所に頼れる人の人数,主観的健康感,主観的体力,うつのリスク,家庭内の仕事,趣味の有無,グループ活動への参加,LSIK)を共変量とした共変量分散分析を実施した(図2)。その結果,閉じこもりリスクの程度の3群で孤独感得点に有意な差が認められた(p=0.007)。多重比較の結果,非閉じこもり群と閉じこもり予備群との間に有意差が検出され(p=0.047),非閉じこもり群と閉じこもり群との間に有意な傾向が示された(p=0.050)。Ⅳ.考察1.対象者の閉じこもりリスク対象者の閉じこもりリスクの分布は,閉じこもり群3.7%,閉じこもり予備群16.7%,非閉じこもり群79.6%であった。先行研究によると,閉じこもりの出現率は,山間部で9.8~15.0%程度,都市部で6.0~8.0%程度であると言われている(森・佐藤・齋藤他,2011,pp.21-29;村山・渋井・河島他,2011,pp.851-866;渋井・村山・河島他,2011,pp.935-947)。一方,外出頻度が減少しつつある閉じこもり予備群も含めた出現率については,先行研究が少ない。その中でも若山・高田・久保田他(2016,pp.98-105)が地域在住自立高齢者では,閉じこもり群11.0%,閉じこもり予備群24.7%であることを明らかにしている。さらに,地域の体力測定会に参加した者を分析した先行研究では,閉じこもり群が5.0~6.0%,閉じこもり予備群が25.0~26.0%と報告されている(山縣・木村・三宅他,2014,pp.671-678)。これらの先行研究と比較すると,本対象者の閉じこもりおよび閉じこもり予備群の割合は低値であった。本研究では過去に体力測定会に参加した者で,さらにその約1年半後の体力測定会への参加も希望している高齢者を対象者とした。したがって,先行研究と比べて本研究の対象者は体力測定会に継続参加可能な,意欲の高い比較的健康な高齢者であることがうかがえる。先行研究との閉じこもり出現率の相違には,こういった本研究の対象者特性が影響した可能性が考えられる。しかしながら,本対象者において60*†50孤40独感得30点(点20)100非閉じこもり群閉じこもり予備群閉じこもり群閉じこもりリスクの程度(群)注)性別、近所に頼れる人の人数、主観的健康感、主観的体力、うつのリスク、家庭内の仕事、趣味の有無、グループ活動への参加、LSIKを共変量とした共変量分散分析を実施した。†:p<0.1 *:p<0.05図図2 2.閉じこもりリスクの程程度度別別のの孤独感得点14