ブックタイトル同志社看護 第2巻

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概要

同志社看護 第2巻

3.分析方法各調査項目について記述統計を行った。次に,各調査項目における日本語版UCLA孤独感尺度(第3版)の得点(以下,孤独感得点)の平均値と標準偏差を算出した。孤独感得点の群間比較は,世帯構成,別居家族と会う頻度,近所に頼れる人の人数については一元配置分散分析を,それ以外の項目である性別,年齢区分,主観的健康感,主観的体力,うつのリスク,家庭内の仕事,趣味の有無,グループ活動への参加,LSIKについては対応のないt検定を実施した。続いて,閉じこもりリスクと孤独感得点の関連を明らかにするために,孤独感得点を従属変数,閉じこもりリスクの3群を独立変数とした一元配置分散分析を行った。その後,孤独感得点と関連のあった各調査項目を共変量とした共変量分散分析を実施し,Bonferroni法による多重比較を行った。統計解析には,IBM SPSSStatistics22を用い,両側検定にて危険率5%を有意水準とした。年齢は74.7±5.2歳(67~90歳)で,前期高齢者が55.8%と後期高齢者よりもやや多かった。閉じこもりのリスクでは,閉じこもり群20名(3.7%),閉じこもり予備群90名(16.7%),非閉じこもり群429名(79.6%)であり,約20%は閉じこもり傾向にあった。世帯構成では夫婦のみの世帯が45.8%と最も多く,独居は12.1%であった。別居家族と会う頻度は週に2,3回以上が25.6%と最も少なく,年に数回以下またはいないという回答の32.3%,週1回程度~月1,2回の41.9%と続いた。近所に頼れる人の人数では1~2人が47.7%と多く,3人以上が39.7%で,1人以上いると回答した者が約90.0%におよんだ。主観的健康感および主観的体力では,88.3%が健康である,66.0%が体力に自信ありと回答していた。うつのリスクを保有していた者は17.6%であった。また,87.6%の者が家庭内に仕事があり,83.3%の者が趣味をもっていた。老人会等のグループ活動に参加している者は68.1%であった。孤独感得点の平均は37.6±9.4点,LSIK得4.倫理的配慮本研究は,同志社大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会の承認(申請番号1344)を得て実施した。なお,本対象者選定に至るまでに実施した各調査や体力測定についても,京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認(受付番号:RBMR-E-363,RBMR-E-371,RBMR-E-372)を得ている。対象者へは研究の概要,プライバシーの保護,調査参加は自由意思であることを説明した書面を,質問紙郵送の際に同封した。質問紙の回収は体力測定会の会場で行ったため,質問紙への回答および質問紙の提出をもって同意とした。また,得られたデータは統計的に処理をして数値化し個人が特定されないように匿名化を行った。Ⅲ.結果質問紙を郵送した638名のうち,564名(回収率88.4%)より回答を得た。そのうち,閉じこもりリスクの判定に必要な2項目と日本語版UCLA孤独感尺度(第3版)に欠損が認められた者を除外した539名(有効回答率84.5%)について分析した。1.対象者の概要対象者の概要を表1,2に示す。性別は男性275名(51.0%),女性264名(49.0%)であった。平均12表1対象者の概要1表1.対象者の概要1(n=539)n(%)性別男性275 (51.0)表1.女対性象者の概要1264(n=539)(49.0)年齢区分前期高齢者301 n(%)(55.8)性別男後性期高齢者275 238 (51.0) (44.2)閉じこもりリスク女非性閉じこもり群264 429 (49.0) (79.6)年齢区分前閉期じこもり高齢者予備群301 90 (55.8) (16.7)後閉期じこもり高齢者群238 20 (44.2) (3.7)閉世じこもりリスク帯構成独非居閉じこもり群429 65 (12.1) (79.6)閉夫じこもり婦のみ予備群247 90 (45.8) (16.7)閉そのじこもり他群227 20 (42.1) (3.7)世別居帯家構族成と会う頻度独週居に2、3回以上138 65 (12.1) (25.6)夫週1婦回のみ程度~月1、2回226 247 (41.9) (45.8)その年に他数回以下またはいない174 227 (32.3) (42.1)別居家族と会う頻度無週回に2、3答回以上138 1 (25.6) (0.2)近所に頼れる人の人数週いない1回程度~月1、2回226 66 (12.2) (41.9)1~2年に数人回以下またはいない174 257 (32.3) (47.7)3無人回以答上214 1 (39.7) (0.2)近所に頼れる人の人数無いない回答66 2 (12.2) (0.4)主観的健康感1~2健康である人476 257 (88.3) (47.7)3健人康以でない上214 62 (11.5) (39.7)無回答2 1(0.4) (0.2)主観的体健力康感健自康信であるあり476 356 (88.3) (66.0)健自康信でないなし182 62 (11.5) (33.8)無回答1 (0.2)主うつのリスク観的体力自なし信あり356 444 (66.0) (82.4)自あり信なし182 95 (17.6) (33.8)家庭内の仕事無あり回答472 1 (87.6) (0.2)うつのリスクなし444 65 (82.4) (12.1)あり無回答95 2 (17.6) (0.4)家趣味庭の内有の無仕事あり472 449 (87.6) (83.3)なし65 88 (12.1) (16.3)無回答2 (0.4)趣グループ味の有活無動への参加参あり加している449 367 (83.3) (68.1)参なし加していない171 88 (31.7) (16.3)無回答1 2(0.2) (0.4)生グループ活満足活度動K(LSIK)への参加参高加群している367 227 (68.1) (42.1)参低加群していない171 294 (31.7) (54.5)無欠回損答値18 1(0.2) (3.3)生活満足度K(LSIK)高群227 (42.1)低群294 (54.5)欠損値18(3.3)