ブックタイトル同志社看護 第2巻

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概要

同志社看護 第2巻

体力測定会参加希望高齢者の閉じこもりリスクと孤独感との関連者以外で近所に頼れる人の人数(以下,近所に頼れる人の人数),家庭内の仕事,趣味の有無,老人会等のグループ活動への参加状況(以下,グループ活動への参加)について質問した。世帯構成は,「独り暮らし」,「夫婦のみ」,「子どもと同居」,「子どもと孫と同居」,「その他」で回答を求め,分析では,「独居」,「夫婦のみ」,「その他」に区分した。別居家族と会う頻度についての回答は,「ほとんど毎日」,「週2,3回」,「週1回程度」,「月1,2回」,「年に数回」,「ほとんどない」,「別居の家族や親戚はいない」の7件法とした。分析では,「週に2,3回以上」,「週1回程度~月1,2回」,「年に数回以下またはいない」の3区分に分類した。近所に頼れる人の人数は,「いない」,「1~2人」,「3人以上」の選択肢とした。家庭内の仕事,趣味の有無,グループ活動への参加の質問項目に対する回答は,「ある(参加している)」,「ない(参加していない)」の2択とした。2)健康状態1主観的健康感,体力の自信(以下,主観的体力)について:主観的健康感は現在の健康状態を問い,「非常に健康」,「まあ健康」,「あまり健康でない」,「健康でない」の4件法で回答を求めた。分析にあたっては,「非常に健康」と「まあ健康」を「健康である群」,「あまり健康でない」と「健康でない」を「健康でない群」の2つに区分した。主観的体力は,「現在の体力に自信がありますか」の質問に対し,回答は「大いに自信がある」,「まあまあ自信がある」,「少し不安である」,「大いに不安である」の4件法とした。分析では,「大いに自信がある」と「まあまあ自信がある」を「自信あり群」,「少し不安である」と「大いに不安である」を「自信なし群」とした。2うつのリスク:厚生労働省による介護予防のための基本チェックリスト(介護予防マニュアル改訂委員会,2012,p.16)のうつに関する5項目を用いた。質問内容は「毎日の生活に充実感がない」,「これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった」,「以前は楽にできていたことが,今ではおっくうに感じられる」,「自分が役立つ人間だと思えない」,「わけもなく疲れたような感じがする」である。いずれもここ2週間のことを問い,その回答を「はい」,「いいえ」で求めた。評価は,基本チェックリストの判定方法に準じ,「はい」に該当した項目が2項目以上でうつリスクありと判定した。3)閉じこもりリスクうつのリスクと同様に,基本チェックリストの閉じこもりに関する2項目を用いた(介護予防マニュアル改訂委員会,2012,p.16)。質問は「週に1回以上は外出していますか」と「昨年と比べて外出の回数が減っていますか」であり,「はい」,「いいえ」で回答を求めた。本研究では,基本チェックリストの判定方法に習い,外出頻度が週1回未満の者を「閉じこもり群」とした。さらに,外出頻度は週1回以上であるが,昨年に比べて外出頻度が減少している者を「閉じこもり予備群」とした(山縣・木村・三宅他,2014,pp.671-678;安村,2006,pp.16-19)。そして,どちらの群にも該当しない者,すなわち週に1回以上外出し昨年に比べて外出頻度が減っていない者を「非閉じこもり群」とした。4)孤独感孤独感は日本語版UCLA孤独感尺度(第3版)を用いて評価した。これは,Russell(1996,pp.20-40)の英語版UCLA孤独感尺度を舛田ら(舛田・田高・臺,2012,pp.25-32)が邦訳し,信頼性および妥当性を検証した尺度である。「自分は周りの人たちの中になじんでいると感じますか」,「自分には人との付き合いがないと感じることがありますか」等の20の質問項目で構成されている。回答は各項目に対し,「決して感じない」,「どちらかといえば感じない」,「どちらかといえば感じる」,「たびたび感じる」の4件法である。各項目1~4点の合計(20~80点)で評価され,得点が高いほど孤独感が強いことを示す。5)生活満足度生活満足度尺度K(Life Satisfaction Index K)(以下,LSIK)を用いた(古谷野,1996,pp.431-441)。これは,人生全体についての満足感,老いについての満足感,心理的安定の3つの因子からなる尺度である。質問は,「あなたは去年と同じように元気だと思いますか」,「全体として,あなたの今の生活に,不幸せなことがどれくらいあると思いますか」等の9項目で,2件法もしくは3件法で回答を求める。評価は肯定的な選択肢が1点,そうでなければ0点とし,9項目の合計得点を算出し,0~9点のうち得点が高いほど生活満足度が高いとされている。古谷野によって信頼性および妥当性は検証されている。本研究の分析では,合計得点の中央値でLSIK高群,LSIK低群に2分した。11