ブックタイトル同志社看護 第2巻

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概要

同志社看護 第2巻

中,要介護のリスクファクターである閉じこもりを予防することは,高齢者の健康の維持・増進やQOLの向上に寄与すると考える。それゆえ,閉じこもり予防において看護職が担う役割は大きい。本研究を通して,これまで明らかになっていなかった閉じこもりと孤独感の関連について,対象を閉じこもり予備群にまで拡張して分析することは,閉じこもり予防支援の示唆を得るという点で意義があると考える。そこで本研究では,閉じこもり予防支援を検討するための基礎資料を得るために,地域在住自立高齢者を対象とした体力測定会への参加希望者における閉じこもりリスクの程度と孤独感との関連を明らかにすることを目的とした。Ⅱ.方法1.対象者本研究は亀岡市との協同で実施し,対象は亀岡市在住の高齢者とした。亀岡市は全23地区から成り,農村部,山間部,市街地という地域特性を有する。調査時点(2013年10月1日現在)の亀岡市の人口は,92,192人(男性44,992人,女性47,200人),65歳以上の高齢者人口は21,657人(男性9,727人,女性11,930人),高齢化率は23.5%であった(亀岡市,2013)。なお,同時点における日本の高齢化率は25.1%(内閣府,2014,pp.2-12)であり,亀岡市はこれとほぼ同程度であると考えられる。対象者の選定プロセスを図1に示す。まず,亀岡市在住高齢者に日常生活圏域ニーズ調査を郵送法で実施した。この調査は,2011年7月に実施し,対象者は同年7月1日時点で要介護3~5の者を除く全高齢者18,231名であった。有効回答は13,294名(有効回答率72.9%)から得られ,そのうち要支援・要介護者を除く自立高齢者11,985名を対象に補完のための追加質問紙調査を2012年2月に郵送法で行った。この時,亀岡市23地区中10地区に住む4,831名に対しては,体力測定会の案内も同封した。この10地区は,農村部,山間部,市街地の地域特性が偏らないように選定した。体力測定会は2012年3~4月に実施し,1,379名(28.5%)が参加した。この参加者に対し約1年半後の2013年10~11月に再度体力測定会を実施した。本研究の対象者は,約1年半後の体力測定会の案内に対し参加を希望した638名(46.3%)とした。2.調査方法および調査項目郵送法による質問紙調査を実施した。まず,2012年の体力測定会の時に得られた同意書に記載されている住所に,2013年10~11月の体力測定会の案内と返信用はがきを送付した。質問紙は,返信用はがきにより参加を希望した者に対して,測定会の日時および留意事項を郵送で連絡する際に同封し,測定会場で回収した。また,体力測定会に参加できなくなった場合には,郵送での返信を依頼し個別に返信用封筒を郵送した。調査項目を次に示す。1)基本属性,生活状況性別,年齢,世帯構成,別居家族と会う頻度,同居2011年7月日常生活圏域ニーズ調査(要介護3~5を除く全高齢者)対象者数18,231名有効回答者13,294名(72.9%)~2012年2月までに介護認定、死亡、転出した者を除く補完のための追加質問紙調査対象者11,985名2012年2月<10地区在住高齢者>体力測定会の案内対象者4,831名有効回答者3,094名<10地区以外の高齢者>対象者7,154名有効回答者5,246名2012年3~4月体力測定会参加者1,379名(28.5%)2013年10月約1年半後の体力測定会の案内参加希望者638名(46.3%)図1.1対象者の選定プロセス10