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概要

同志社看護 第1巻

「同志社看護」創刊によせて2015年春に看護学部看護学科が開設されてからほぼ1年が経過しました。毎日があわただしく、毎日がチャレンジという思いで過ごしてきたように思います。その中で、いつも中心軸にあるのは「同志社女子大学らしい看護学教育」の実践です。かつて、同志社の創設者新島襄は、京都看病婦学校の設立に向けて「…真実ノ愛心ヲ以テ病人ノタメニスル人ガ入用デアル…」と述べ、熟練した看護実践力と病人の心に寄り添える看護の重要性を示されました。今、看護学部は、それらをバックボーンとして、現代社会のニーズに対応できる質の高い看護職の育成をめざして、動き出しています。また看護学部が、学生・教職員はじめ多くの方々の協働によって少しずつ構築されていることも実感しています。さて、看護系学部設立のラッシュといわれてから久しくなりますが、残念ながら、そのために看護学を専門とする教員が不足し、「教育の質の保証と共に、大学人としての教員の質」が問われているようです。大学人とは何か、大学教員の役割とは何かなど、改めて考える時がきていると思わずにはいられません。一般的に、大学教員の職務とは、教育・研究・大学運営・社会貢献などといわれています。では、この中でどれが最も重要だと思いますか。研究者としての研究、教員としての教育、組織人としての大学や学部運営、そして大学の教育・研究成果の社会への発信が大切など、色々な考え方があるでしょう。その考え方は、教員各々の仕事の仕方に取り組む姿勢に繋がっているともいえるようです。職位や経験などによっても様々かもしれませんが、最も重要なのは、それらの職務に対して「バランスよく、状況に応じて一生懸命取り組む姿勢を持ち、実践する」こと、そして実践していく上では「チームの一員として役割を遂行する」ことだと思います。それらの積み重ねを通して、大学人として成長していくのではないでしょうか。看護学部の教員は様々な看護系大学でのキャリアはありますが、同志社女子大学の教員としてはまだまだ新人です。皆で力を合わせながら相互に成長しつつ、大学人として「同志社女子大学らしい看護学教育」を具現化していかねばなりません。このたび、教員それぞれの成長の姿を映し出すものとして「同志社看護」を発刊することになりました。「同志社看護」は、いわゆる大学や研究所などの研究論文や調査報告書を掲載した定期刊行物である紀要のことです。ですから、看護に関する研究論文あるいは研究報告を掲載するという研究中心の編集となりますが、日頃の教育実践活動をとりまとめた教育実践研究や報告、あるいは社会貢献活動の成果報告、大学運営に関する内容など、従来の紀要より幅広い内容を掲載していきたいと考えております。勿論、掲載内容の質の担保については、論文評価体制を整えて対応していきます。「同志社看護」の発行は、同志社女子大学看護学会の事業の一環です。その意味でも教員のみならず、学会の一員である学生達と共に、この看護学部のすばらしい未来をつくりあげていくことへの一つの足跡になることを願っています。看護学部長岡山寧子