ブックタイトル同志社看護 第1巻
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同志社看護 第1巻
認知症の人の意思決定支援に関する文献レビュー5渡邊浩文6鈴木浩子,山中克夫,藤田佳男他7渡邊浩文,今井幸充,鈴木貴子他8伊藤大介,近藤克則,伊藤美智予9安藤こずえ,水野敏子10沖田佳代子11麻原きよみ,百瀬由美子居宅介護支援における家族調整のあり方―本人・家族との判断・意見の相違する状況における居宅介護支援に関する研究介護サービスの導入を困難にする問題とその関係性の検討認知症の人への居宅サービス計画の説明実施に関する現状と課題介護者の認知症者に対する接し方の変化に関する研究―ケアマネジメントプロセスとの関連―家族が近隣に居住しているひとり暮らし中程度認知症高齢者への介護支援専門員の支援介護サービス計画の決定策定における倫理的デイレンマ―ケアマネジャーの対する訪問面接調査から―介護サービス利用に関する高齢者の意思決定に関わる問題―訪問看護師の意識調査から―総合科学研究1日本公衆衛生雑誌59(3)老年精神医学雑誌20(3)社会福祉学54(4)老年看護学20(1)社会福祉学43(1)日本地域看護学会誌5(2)2005201220092014201520022003専門員が家族調整に困難を感じた事例から、本人、家族、専門員という関係の中で生じる意見・判断の相違する構造を探索する介護サービスが必要であるにもかかわらず利用に至らない高齢者に関して、サービス導入を困難にしている問題を明らかにする認知症の人に対して専門員がサービス提供に際し行っている説明の現状と課題を明らかにする認知症者へのケアマネジメントにおける、認知症者・家族に対する「意向の確認」「説明・助言」などのプロセスと、主介護者の認知症者への接し方の「好転」の関連を検討するひとり暮らし認知症高齢者への介護支援専門員の支援内容について質的に分析する高齢者のケアマネジメントに携わる専門員らの生の知識を収集・分析し、介護サービス計画の決定作成で生ずる「倫理的ディレンマ」について検討する介護サービス利用に関する高齢者の意思決定に関わる問題を明らかにする2つの支援事業所の専門員にインタビューを実施した、家族調整が必要であった37ケース本州地域の市区町の保健センターまたは高齢者相談担当部署657か所の保健師WAM-NETから無作為抽出した居宅介護支援事業所に勤務しており、認知症の診断を受けた利用者を1人以上担当している専門員7500名居宅介護支援事業所・地域包括支援センターでケアプランが実施されている2097ケース首都圏近郊の一都市の介護支援事業所管理者が、一人暮らし認知症高齢者の支援における経験が豊富と判断した専門員6名名古屋市7区と愛知県下2市6町にある22か所の居宅介護支援事業所に所属する専門員29名N県看護協会主催の訪問看護師養成講習会の参加者50名半構造化面接による事例分析期間:2003年9~12月郵送による自記式質問紙調査期間:2005年9月郵送による自記式質問紙調査期間:2005年1~2月担当ケアマネジャーへの質問紙調査半構造化面接と参与観察データの質的記述的分析期間:2011年7~11月訪問面接調査による質的調査期間:2001年8~9月質問紙による自由記述「本人の判断能力が不十分。専門員と家族の判断・意見が異なる」「専門員・家族と本人の判断・意見が異なる」「家族・本人と専門員の判断・意見が異なる」「専門員・本人と家族の判断・意見が異なる」事例に分類された。このようなズレを生じさせる要因として、サービスに関するアンビバレントな感情、家族との感情的軋轢、介護状況に対する情報量の少なさ、介護者の低い介護意識などが挙げられた。「生活の変化に対する抵抗」「親族の理解・協力の不足」の問題に、「手続き・契約における能力不足」「インフォーマルサポートの不足」「受診に対する抵抗」の問題が重なり、介護サービスの導入が困難になっていることが示された。個々の問題に応じた援助方法に加え、支援が必要な高齢者の早期把握、支援体制を地域レベルで検討する必要がある。サービスの依頼や希望は家族介護者からが多く、大半の専門員はケアプラン説明時に家族の同席を求めていた。本人への説明の実施については、すべての利用者に説明を実施するが2割、ほとんどの利用者に説明を実施するが5割、一部の利用者のみに説明を実施するが3割であった。同意を得る相手(複数回答)は、本人と家族からが9割であるが、家族からのみ得ているも5割以上であった。署名捺印の方法は、本人の了解のないまま家族が代筆するケースが4割であった。利用者の説明理解の確認方法は視線や表情、うなずき等で判断している専門員が約半数であった。認知症者に対して「今後の見通し」の説明をしている割合は約2割、「今後の生活や医療方針」に関する意向の確認を行っている割合は約3割であった。認知症者にこれらの説明・確認を行うことで、主介護者の認知症者に対する接し方が好転する可能性が示唆された。一人ぐらしの中等度認知症高齢者への専門員の支援内容から「努力して生活している本人を後押しする」「本人と近隣の安全を守る」「本人への働きかけだけでは一人暮らしが困難と感じたら家族に助けを依頼する」「支援の輪を広げて一人暮らしの限界を乗り越えていく」「本人が支援を受け入れられるように配慮する」の5つのカテゴリーが抽出された。専門員の倫理的ディレンマという視点から、「高齢者の自立性支援」対「援助する義務」、「介護サービス計画における本人」対「家族の不一致」、「在宅介護の継続」対「施設入所」、異なる専門職間の葛藤、組織間関係の葛藤、ケアマネジメントにおける情報提供と秘密保持、専門員の所属する組織との葛藤の7つを挙げた。高齢者の意思決定の関する問題として、介護保険制度に関する問題、介護サービス利用の意思決定に対する他者の影響、情報提供不足、サービス量不足、規範の影響、高齢者の能力不足を挙げている。介護サービス利用の意思決定に対する他者の影響には、介護サービスの決定に当事者である高齢者が不在であること、家族や専門職および専門職が関与していることを示す記述がみられた。33