ブックタイトル同志社看護 第1巻
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同志社看護 第1巻
体験による親としての自信がもてるような関わりが必要かをよく見極めてケアすることが重要と考えられる。具体的な看護実践への示唆としては,森本ら(2015,p.158)は,授乳時の抱っこの仕方や・吸わせ方等手技習得までに時間をかけて関わる必要性を示し,戸惑いや思い通りに進まない育児に関しては自信の獲得に時間を要すため,妊娠中からの介入と退院後の継続支援の必要性を示していることからも妊娠中から育児期を視野においた育児の知識や技術の具体的な指導,さらに,医療者による母親の行動や感情の承認が母親の成功体験や達成感につながる(小林,2007,pp.69-70)ことから1ヶ月健診までの電話訪問や産後2週間健診の機会を設けることも有効と思われる。本研究の限界としては,初産婦を対象としていることから,褥婦への支援として一般化するには限界がある。今後,経産婦も含めて対象数を増やした検討が必要である。さらに,3ヶ月,1年と縦断的な調査によりストレス反応がどのように変化するのか検討していくことも必要と思われる。謝辞:本研究にご協力いただきました,産褥期のお母様方,医療機関の皆様に深く感謝申し上げます。なお,本論文は,2010年度に京都府立医科大学保健看護研究科に提出した修士論文の一部を加筆修正したものである。本論に関しての全ての著者は開示すべき利益相反はない。文献秦幸智美,長田昭夫,藤田小矢香,他(2009):初産婦に対する母乳栄養と産後の不安に向けての援助-家庭訪問と電話相談を比較して-.母性衛生.50(2):461-467.堀田法子,山口(久野)孝子(2005):6か月児をもつ母親の精神状態に関する研究(第1報)-不安,抑うつと育児ストレスとの関連から-.小児保健研究.64(1):3-10.池田浩子(2001):育児負担感に関する研究-育児負担感の時期別変化と母親の心理状態との関連-.母性衛生.42(2):607-614.今津芳恵,村上正人,小林恵,他.(2006):PublicHealth Research Foundationストレスチェックリスト・ショートフォームの作成-信頼性・妥当性の検討-.心身医学.46(4):302-309.伊藤絵美(2006):ストレスコーピング.看護診断.11(1):113-115.岩崎順子,野嶋佐由美(2007):Maternal Confidenceと家族サポート.家族看護.5(1):100-110.加藤司(2001):コーピングの柔軟性と抑うつ傾向との関係.The Japanese Journal of Psychologs.72(1):57-63.川野亜津子,江守陽子(2012):出産後3ヶ月までの母親における心理状態の縦断的調査.母性衛生.52(4):464-471.小林康江(2006):産後1ヶ月の母親が「できる」と思える子育ての体験.母性衛生,47(1):117-124.小林康江(2007):当事者の自信を支える看護産後1~2ヶ月の母親が「できる」と思えることを支える看護.家族看護.50(1):65-70.小林康江,遠藤俊子,比江島欣慎,他(2006):1ヶ月の子どもを育てる母親の育児困難感.YamanashiNursing Journal.25(1):9-16.Lazarus.R.S.,Folkman.S.(1984)/本明寛,春木豊,織田政美訳(1991).ストレスの心理学-認知的評価と対処の研究.東京:実務教育出版.文部科学省:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/004.htm.第2章心のケア各論.(2015年11月17日)森本眞寿代,南里美貴,山内翠,他(2015):母親が入院中に受けたと認識する育児支援と産後1ヶ月までの育児不安との関連.母性衛生.56(1):154-161.西海ひとみ,松田宣子(2008):第1子育児早期における母親の心理的ストレス反応に影響する育児ストレッサーとソーシャル・サポートに関する研究.神戸大学大学院保健学研究科紀要.24:51-63.野口あけみ,山川裕子,福澤雪子,他(2010):産後の母親に対する24時間電話相談の利用状況と課題.母性看護.41:82-85.尾関友佳子(1993):大学生用ストレス自己評価尺度の改訂-トランスアクショナルな分析に向けて-.久留米大学大学院比較文化研究科年報.1:95-114.大野めぐみ,眞鍋えみ子(2013):初産婦における産後1週のストレス反応からみた産後4週における育児ストレスの特徴に関する研究.母性衛生.54(1):182-190.Reva Rubin(1984)/新道幸恵,後藤桂子訳(1997).ルヴァ・ル-ビン母性論:母性の主観的体験(第1版).東京都:医学書院.26