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概要

同志社看護 第1巻

初産婦における育児ストレスの特徴表3表3産後4週までのストレスまでのストレス反応反の応変の化変と化育と児育ストレス児ストレス各下位各尺下度位得尺点度の得関点連の関連持続群(n=12)軽減群(n=15)育児ストレス下位尺度中央値最小最大中央値最小最大U値親としての効力感低下???? ?? ?? ???? ? ?? ???? ??育児ストレッサー育児による拘束???? ?? ?? ???? ? ?? ???? ?サポート不足??????????????????子どもの特性????????????????????育児知識と技術不足??????????????????? ??認知的評価脅威性の評価?????????????? ??コントロール可能性?????????????? ?コーピング回避・逃避型????????????????????<.01,*?<.05後の児の啼泣は苦痛であり,この状況に対し脅威でありコントロールできないと感じていたが,ストレスコーピングの利用頻度についてはストレス反応軽減者と差はないことが示された。Ⅳ.考察本研究の目的は,産後4週までのストレス反応が強い状態で持続している初産婦の育児ストレスの特徴を明らかにすることである。分析の結果,産後1週及び4週共にストレス反応が強い状態で持続する者44.4%,4週で軽減する者55.6%と約半数はストレス反応が強い状態で持続していた。そして,ストレス反応の持続者は軽減者に比べ,育児知識や技術の不足や親としての自信のなさ,育児による拘束感を育児ストレッサーと感じていること,夜間や授乳後の児の啼泣をストレスと認知しており,その状況を脅威と感じ,コントロール感も低いこと,コーピングの利用は差がないことが示された。まず,ストレス反応持続者の育児ストレッサーの特徴については,電話相談では,産後1ヶ月未満が最も多く「児の体調に関すること」や「児への対応に関すること」等育児に関することが半数以上であること(野口・山川・福澤,2010,p.84),また,退院後の不安は,新生児の生理的なことや授乳に関することであること(秦・長田・藤田他,2009,pp.464-465),産後1ヶ月の不安の強さは,「授乳の基本」が上位であること(森本・南里・山内,2015,pp.156-158)からも,今まで経験のない授乳や児の養育に関する育児知識や技術不足が大きなストレッサーであると思われる。さらに,初めての体験に対する戸惑いや思い通りに進まない育児に関しては自信の獲得に時間を要すため,親としての効力感の低下につながり,ストレッサーとして認知されると考えられる。次に,夜間や授乳後の児の啼泣に関する認知的評価については,同様の状況に対して対処できた体験の乏しい母親は,努力してもできない,子育てをコントロールしたいのにできないと,できない自分は進歩がないと自己否定につながる(小林,2006,p.122)ことからも成功体験が少ないことから自分に脅威を及ぼす状況と評価するのであろう。さらに,産後1ヶ月までは身体的な回復のためにも外出が制限されるため,空間的にも限られた環境の中での生活を余儀なくされる。そのなかで育児に関するコントロール感がもてないことが,拘束感にもつながっていると思われる。一方,ストレス反応持続群と軽減群で夜間や授乳後の児の啼泣に関するコーピングの方法には差がなかったことは,産後1ヶ月では、子育てに関するストレスフルな状況に対するコーピングは試行錯誤の状態であることも推測される。そこで,多くのコーピングを身につけ,場面によってそれらを意識的かつ柔軟に使い分けることでストレス対処能力が高まる(伊藤,2006,p.114)ことや,コーピングの柔軟性に富むものは抑うつ傾向が低く,精神的に健康である(加藤,2001,p.61)ことから,子育てをしていく上でも多くのコーピングを試みて成功体験をすることにより,状況に合わせて,効果的に用いることができるようになると思われる。これらから,産後1ヶ月までのストレス反応の持続を予防するためには,まず,産後の入院期間中にストレス反応である,不安や重責感,身体的疲労,疲弊やうつの症状を充分に観察し,一時的な休養が必要か,育児知識や技術の習得や子どもとの関わりの中で成功25