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概要

同志社看護 第1巻

2.4週の育児ストレスの実態4週における育児ストレスの各下位尺度得点の平均値,標準偏差,中央値を表2に示した。育児ストレッサーでは,子どもの特性の中央値38.5(範囲10-76)が最も強く,育児知識と技術不足33.0(5-68),育児による拘束28.5(5-66),親としての効力感低下26.0(5-69),サポート不足13.0(5-42)の順であった。夜間や授乳後の児の啼泣に対するストレス度は,とてもストレス8名(29.6%),ややストレス16名(59.3%),どちらでもない2名(7.4%),不明1名であり,約9割がストレスと感じていた。認知的評価では,得点の高い順にコミットメント5.0(2-6),影響性の評価4.0(2-6),コントロール可能性2.0(0-4),脅威性の評価2.0(0-6)であった。コーピングは,問題焦点型10.0(6-15),情動焦点型5.0(1-9),回避・逃避型9.0(4-17)であった。対象者は,子どもの育てにくさや育児知識と技術の不足及び育児による拘束感を強く感じており,夜間や授乳後の児の啼泣に対し義務や責任を感じる一方で,この状況をストレスと感じ,これは自分にとって重要なことであり影響を与えるものであるがコントロールできないと感じ,コーピングの方法としては問題焦点型コーピングでの対処が多いことが示された。3.産後4週までのストレス反応の変化と育児ストレスとの関連産後4週までのストレス反応の変化と育児ストレスとの関連を検討するために,産後1週と4週ともにストレス反応が高群に所属した者をストレス持続群(以下,持続群),産後1週は高群,4週は低群に所属した者をストレス軽減群(以下,軽減群)とした。持続群12名(44.4%),軽減群15名(55.6%)であった。これらの2群を独立変数,4週の各下位尺度得点を従属変数としMann-WhitneyのU検定を行った。その結果を表3に示した。育児ストレッサーにおいては,親としての効力感低下(持続群の中央値46.5,軽減群21.0),育児知識と技術不足(持続群55.5,軽減群27.0),育児による拘束感(持続群37.5,軽減群26.5)であり,持続群の方が有意に高得点であった(順にU=30.5,24.0,40.5,p<.01,.01,.05)。次に,夜間や授乳後の児の啼泣といった想定された状況に対するストレス度は持続群では,とてもストレス6名(50.0%),ややストレス6名(50.0%)であり,軽減群では,とてもストレス2名(13.3%),ややストレス10名(66.7%),どちらでもない2名(13.3%),不明1名であった。認知的評価では,脅威性の評価(持続群2.0,軽減群0.0)において有意差が認められ,持続群の方が軽減群に比べ高得点であった(U=30.0,p<.01)。また,コントロール可能性(持続群1.5,軽減群3.5)においても有意差が認められ,持続群の方が軽減群に比べ低得点であった(U=46.5,p<.05)。コーピングの下位尺度得点では有意差は認められなかった。したがって,産後1週及び4週においてもストレス反応が強い状態で持続している者は,育児知識や技術の不足感,親としての自信のなさ,育児による拘束感をストレッサーとして自覚していた。また,夜間や授乳表2表2産後4週の育児ストレス各下各位下尺位度尺得度点得点?(n=27)育児ストレス下位尺度[得点範囲]平均値標準偏差中央値最小最大親としての効力感低下?????? ???? ???? ???? ? ??育児ストレッサー育児による拘束?????? ???? ???? ???? ? ??サポート不足?????????????????????子どもの特性??????????????????????育児知識と技術不足?????????????????????認知的評価脅威性の評価????????????????コントロール可能性????????????????コーピング回避・逃避型??????????????????ストレス反応自律神経系不調和?????????????????疲弊・うつ??????????????????24