ブックタイトル同志社看護 第1巻
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同志社看護 第1巻
初産婦における育児ストレスの特徴情動焦点型,そして,否認のような現実を回避する回避・逃避型がある。ストレス反応とは,ストレス状況に不適応な時に生じる不安や重責感,肩こりや疲労感,動悸やめまい,いらいらや将来に希望が持てない等の心身の反応である。なお,本研究ではストレッサーは育児ストレッサー尺度,認知的評価のうち一次評価を認知的評価尺度,コーピングをコーピング尺度,ストレス反応をPHRF-SCL-SFで測定した。5.倫理的配慮対象者に口頭及び書面にて研究の目的,プライバシーの厳守,研究参加の自由意思と途中辞退の権利の保障,結果の公表についての説明を行った。研究参加の同意が得られた褥婦に同意書を配布し,その記入を確認後,質問票を配布した。なお本研究は,事前に京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査にて承認を受けた(承認番号C-682)。6.分析方法各調査項目の記述統計を算出し,産後1週,4週のストレス反応下位尺度得点を標準化しクラスタ分析の非階層的方法により2群(高群と低群)に分類した。次に,クラスタによる分類をもとに1週,4週共に高群に属したストレス持続群と1週は高群,4週は低群に属したストレス軽減群を抽出した。この2群を独立変数,4週の育児ストレッサー,認知的評価,コーピングの下位尺度得点を従属変数として,Mann-WhitneyのU検定を実施した。なお,解析には,統計ソフトIBMSPSS Statistics23を使用し,有意水準を5%とした。Ⅲ.結果1.対象者の背景1週の調査では217名(回収率77.0%),4週189名より回答を得られた。その中で2回の調査のマッチングができ,有効な回答が得られた初産婦70名を分析の対象とした。平均年齢は,30.7(SD4.6)歳であった。分娩様式では,経腟分娩58名(82.9%),帝王切開12名(17.1%)であった。1週の調査での産後日数は平均3.2(SD1.6)日であり,4週は29.7(SD4.2)日であった。1週と4週におけるストレス反応下位尺度得点の平均値,標準偏差,中央値を表1に示した。1週,4週共に身体症状の得点が最も高く,自律神経系不調和の得点が低かった。次に,産後1週のストレス反応下位尺度得点を用いてクラスタ分析を行った。その一次結評果価,第1クラスタは4下位尺度共に平均より高い群,第2クラスタは平均ストレッサー認知的評価コーピングより低い群に分類され,高群27名(38.6%),低群43名(61.4%)であった(図2)。二次さ評ら価に,産後4週のストレス反応下位尺度得点も同様にクラスタ分析により2群に分類した。産後1図週と1同Lazarusの様に第1クラスタは心理学的ストレスモデル4下位尺度共に平均より高い群12名(17.0%),第2クラスタは平均より低い群58名(80.6%)に分類された。平均標準得点1.20.80.40-0.4-0.8高群(n=27)? ??低群(n=43)?-1.2?図2 1週のストレス反応下位尺度得点によるクラスタパターン図2? 1週のストレス反応下位尺度得点によるクラスタパターン以降の分析では,1週の時点で高群に分類された27名についてのみ分析の対象とした。27名の平均年齢は,30.6(SD4.8)歳,分娩様式は,経腟分娩21名(77.8%),帝王切開6名(22.2%)であった。4週での生活場所は,自宅12名(77.8%),実家14名(51.8%),不明1名であった。不安・重責感身体症状自律神経系不調和疲弊・うつ表1表1産後1週、4週のストレス反応反下応位下尺位度尺得度点得点(n=70)産後1週産後4週平均値標準偏差中央値最小最大平均値標準偏差中央値最小最大不安・重責感????????????????????????身体症状????????????????????????自律神経系不調和???????????????????????疲弊・うつ????????????????????????23