ブックタイトル同志社看護 第1巻
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同志社看護 第1巻
地域在住自立高齢者の追跡2年間における転倒経験とその関連要因の基本チェックリストの要介護認定発生の予測妥当性は,遠又らによって検証され(2011,pp.3-13),虚弱判定にも活用されている(小川・藤原・吉田他,2011,pp.545-552)。高齢者を対象とした諸研究においても,基本チェックリストを用いた研究が散見され(小川・藤原・吉田他,2011,pp.545-552;浜崎・森川・中村他,2012,pp.801-809;鈴木・牧上・後藤他,2007,pp.619-626;鈴木・後藤・横川他,2009,pp.47-54),知見の積み重ねもすすめられている。さらに,転倒予防対策は短期間で実施できるものではなく,将来を予測して予防的に取り組む必要がある。そのためには,できるだけ観察期間を長くして転倒の実態を把握し,その要因を明らかにする必要がある。そこで本研究では,転倒予防のポピュレーション介入のための予備的研究として,地域在住の自立高齢者を対象に,厚生労働省提唱の日常生活圏域ニーズ調査をベースラインとして2年間の追跡調査を行い,転倒経験の有無とその関連要因について分析した。Ⅱ.方法1.データ収集方法調査対象の亀岡市は,京都府の中部に位置し,高度経済成長期以降,京都市のベッドタウンとして発展してきた人口93,306人(2011年)の中規模市町村である。2011年の統計(亀岡市,2010;亀岡市,2012;京都府,2012;厚生統計協会,2013)では,出生率(人口千対)8.0(全国8.3),死亡率9.5(全国9.9),高齢者割合20.8%(全国平均23.3%)と全国平均に近い数値を示し,人口構成割合,産業別就業者割合,主要死因順位も全国と類似した地域である。亀岡市では,2011年7月1日時点の65歳以上の全高齢者の中で要介護3以上を除く18,231人に対して日常生活圏域ニーズ調査(自記式郵送調査)を行い,13,159人から回答を得た(回収率72.2%)。亀岡市は全23地区から成り,農村部,山間部,市街地という地域特性を有す。このような地域性が偏らないように選定した10地区に居住する先の調査の有効回答者から要支援・要介護をのぞく自立高齢者(4,859人)を対象に身体機能測定会の案内を行った。測定会は2012年3月~4月に実施し,1,328人(男性647人,女性681人)が参加した。この参加者について,2013年に,再度測定会の案内を行い,希望者542人を対象に体力測定を行った。2011年と2013年の両方の基本チェックリストに回答のあった533人(有効回答率98.3%)を本研究の分析対象とした(図1)。533人の内訳は,男性264人,女性269人で,ベースライン調査時点におけるそれぞれの平均年齢は,男性73.0±5.4歳(範囲65~87歳),女性72.0±5.0歳(範囲65~86歳)であった。調査期間は,ベースラインの日常生活圏域ニーズ調査は2011年7~8月,第2回基本チェック調査(体力測定)は2013年12月であった。2011年7-8月日常生活圏域ニーズ調査2012年3月第1回体力測定2013年12月第2回体力測定亀岡市65歳以上の全住民のうち、要介護3以上を除く18,231人回答者13,159人(回収率72.2%)第1回基本チェックリスト体力測定案内:偏りのない10地区を選定し、要支援・要介護を除く4,859人第1回体力測定1,328人第2回体力測定542人第2回基本チェックリスト両方の基本チェックリストに回答533人=分析対象図1図1調査対象および分析対象者のフロー図図11