宇治地域の地理的・歴史的重要性を考えるフィールドワーク

2021/11/08

日時:2021年10月27日(水)
「京都・大阪・奈良フィールドワーク」 担当:天野 太郎

南山城地域に位置する宇治は、古代からの東山道・北陸道など陸上交通路を、淀川水系の水運を結ぶ陸路と水路の古代の交通の要衝であると同時に、源融の別業としてその後の平等院の形成に象徴される都市が展開してきました。今回の授業では、その京都文化の残る宇治を中心とした諸史跡を見学すると同時に、宇治に展開する文化を通して、平安時代からの京都の歴史の一端を学習することを目的としてフィールドワークを行いました。

まず、文献上最古の長大橋である宇治橋の建設とその意味について見学を行いながら、宇治上神社を訪問しました。世界文化遺産でもある当神社は、拝殿が寝殿造となっている非常に珍しい神社であり、平安〜鎌倉期の建築様式を知ることができます。宇治の由来となった菟道皇子に関する文献資料と対照させながら、宇治の歴史的な意味を含めて考える機会となりました。

また、宇治を文学作品の側面から理解を深めるため源氏物語ミュージアムを訪問、当館長で宇治市歴史資料館館長を兼任する家塚智子館長から、博物館展示の意味や宇治の重要性について説明を受けながら、別業としての宇治のあり方について知ることができました。さらに対岸の平等院などの訪問も通して、宇治の重層的な歴史・文化について学ぶ1日となりました。

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