伏見地域の都市構造と産業の展開に関するフィールドワーク学習

2021/10/11

日時:2021年10月6日(水) 10時30分〜15時
「京都・大阪・奈良フィールドワーク」担当:天野 太郎

社会システム学科の授業「京都・大阪・奈良フィールドワーク」は、本学科の特徴の一つである現代社会を実地に多角的に学ぶという教育方針のもとで、京都を中心とした地域構造について実地学習を中心に行う授業として長年継続して開講されてきている授業です。また、授業での学外フィールドワークは、これまでの深刻なコロナ禍の中で学生の学習環境と命を守る意味で制限されていましたが、9月30日まで発令されていた緊急事態宣言の解除と、10月4日からの大学対面授業再開を受けた形で、かつ十分な感染症対策をおこなった上で、また受講者人数を従来より大幅に制限した形で実施しました。

さて、今回の目的である伏見地域は、伏見街道・竹田街道・鳥羽街道と淀川水運の陸路と水路の古代の交通の要衝であると同時に、その地理的な結節性を重視して伏見城に象徴される都市が展開してきた地域です。現在では昭和期の合併により京都市の一部となっていますが、かつては「伏見市」として独立した行政体で、京都とは異なる独自の歴史的な歩みを進めてきた地域でもあります。

そうした近世の地域開発に伴って水運と結びつき発達した伏見の立地特性について、とりわけ宗教都市としての側面(伏見稲荷など)と酒造業に注目をして考察することを目的としてフィールドワークを行いました。古地図や資料での学習を行った上で、伏見稲荷大社と酒造業との関わり、稲作のあり方を学びながら、伏見街道の役割や近代期の琵琶湖疏水の成立など、多角的な視点から学ぶとともに、月桂冠大倉記念館での酒造の展開や、港湾都市としての成立を考える上で重要な船宿・寺田屋の立地と文化財としてのありかたについて考えることができました。

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※集合写真時のみ、集合し撮影しました。

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