情報メディア学会講演会「人はかならず、何かから何かを思いついている ーあるCMプランナーの企画術ー」

2013/07/10

【同志社女子大学 情報メディア学会 講演会】

日時:6月26日(水) 15:15~16:45
吉本総出演によるジョージア「明日があるさ」シリーズ、樹木希林らの富士フイルム「フジカラーのお店」シリーズ、ENEOS「エネゴリくん」シリーズ、タウンページ「良純さんが行く」シリーズなど、人気CMの生みの親であるCMプランナー福里真一氏をお招きし、『人はかならず何かから何かを思いついている –あるCMプランナーの企画術-』と題してご講演いただきました。

当日はあいにくの雨模様でしたが、約130名の方々に足を運んでいただきました。
会場では福里氏が手がけられたシリーズCMが流れ、笑いあり、感動ありのあたたかい講演会となり大盛況でした。

今回は、福里氏の代表作サントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」シリーズ、トヨタ自動車「こども店長」シリーズを事例に『アイデアが生まれたプロセス』について、直筆のスライド・映像とともにお話をうかがいました。企業が伝えたいメッセージを具体化する作業では、幼少期に見たもの・聞いたもの・感じたものが土台になったと同時に、本や雑誌を通じて目にとまったフレーズもヒントになったとのこと。さらに、「現在も続いている長寿シリーズも最初は覚えてもらえなかった、少し我慢をして続けたことで覚えてもらうことができた。」「シリーズが続くことで、その時々の時事ネタなども盛り込みやすくなり、現在と呼吸したCMがつくりやすくなる。」ともおっしゃっていました。「人は、ゼロから何かを思いつけない。かならず、何かから何かを思いついている。そして、思いつくと楽しくなる。アイデアは日常やこれまでの人生経験の中にある。」というお言葉から、物事を掘り下げ、根気強く追求することでオリジナルを創ってゆくという強いメッセージを感じました。
 シリーズ化され人々に愛され続けるCMづくりの裏側から、CMプランナーという仕事のおもしろさが伝わってくる講演会となりました。

福里 真一氏(CMプランナー・コピーライター/ワンスカイ所属)
1968年鎌倉生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1992年電通入社。2001年よりワンスカイ所属。
主な仕事に、吉本総出演によるジョージア「明日があるさ」シリーズ、樹木希林らの富士フイルム「フジカラーのお店」シリーズ、サントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」シリーズ、トヨタ自動車「こども店長」シリーズ、ENEOS「エネゴリくん」シリーズ、タウンページ「良純さんが行く」シリーズなど。いままでに数多くのシリーズCMを手がけている。最近の仕事はほかに、ビートたけしと木村拓哉のトヨタ自動車「ReBORN信長と秀吉」シリーズ、瑛太や吉岡秀隆のダイハツ「日本のどこかで」シリーズ、大森南朋のBOSS贅沢微糖「贅沢していい人」シリーズ、役所広司の東洋水産「マルちゃん正麺」など。
2001年「明日があるさ」、2009年「こども店長」で、流行語大賞に入賞。ACC(全日本CM放送連盟)グランプリ、TCC(東京コピーライターズクラブ)グランプリ、クリエイター・オブ・ザ・イヤーなど受賞。