現代社会学部公開講座 第25期 町家で学ぶ京都の歴史と文化 ~第1回 『京都 雪月花を撮る』~

2017/11/02

講師:[中田 昭]

最近よくテレビや雑誌などで「インスタ映え」という言葉を耳にする方は多いのではないでしょうか?
一応これは「instagram」というSNSに投稿する写真として見栄えがいいものが撮影できるという意味ですが、最近ではインスタやそれ以外のSNSに投稿するために写真を撮る若者が増加するなどおしゃれできれいな写真を撮ることが若者の間でブームとなってきています。また、近年ではiPhoneのカメラ機能を使えば簡単にデジタルカメラ以上の綺麗な写真を撮ることができ、撮った写真をアプリで加工したり、家族や友達と撮った写真をシェアし合うこともでき、誰もが簡単に際限なく写真を撮ることができるようになったことで多くの人が写真を撮ることを楽しんでおり、ますますカメラの人気は高まってきています。
そこで、今回は京都の風土や文化を35年にも渡り撮影されてきた写真家の中田昭さんをお迎えし『京都 雪月花を撮る』と題して、中田さんが実際に撮影された写真をスライドに流し、秋から順に二十四節気ごとに追って鑑賞をしながらお話を伺いました。ちなみに、二十四節気とは中国の戦国時代に成立した季節の指標にしたものであり、これは1年を24に分けた季節の節目を示す言葉で各節気の期間は約15日になるそうです。この二十四節気は、半月(約15日)ごとの季節変化に対応できることから、天候に左右される農業の目安として大変便利だったそうで、日本に導入されて明治5年まで使用されていた太陰太陽暦のひとつでもあるそうです。二十四節気ごとに1枚1枚丁寧に中田さんがどのようなテーマでその写真を撮ったのかを解説して下さり、その写真にまつわる京都の歴史や文化についてのお話を聞き、写真を見ることで京都の四季折々の風景の美しさを感じることができました。また「梅見」での北野天満宮の梅花祭での舞妓さんの簪の美しさに春を感じることができたり、続く「立春」では、鴨川を舞うゆりかもめと青空から陽の暖かさを感じとることができ、他にも同じお花やお庭でも花の時期と雪の時期とでは表情が異なって見え、季節それぞれの良さや京都の春夏秋冬を写真を見て楽しむことができた1日となりました。