現代社会学部公開講座 第21期 町家で学ぶ京都の歴史と文化 ~第2回 『野菜のきもち』~

2015/11/21

講演者:高橋 徹・福子[上賀茂 京野菜農家]

良好な土壌環境により、根が育ち、土の中の微生物が働いて、養分の吸収が活発になる。冬野菜は寒さのなかで水分中の糖度を高くすることによって身を守るため、甘く感じるのである。京野菜農家として日々野菜を見て観察しながら、野菜の気持ちを汲んでやりながら育てている。良い環境の中で育てることは大切であるが、寒さなどある程度の試練を与えることにより、より質の高いものが得られる。そのことは人間についても同じことが言えるのではないだろうか。今後の農業のあり方については安いものが求められる一方で安心、安全に加えて美味しいものが生き残っていけるのではないかと考える。