FDreport_vol16
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Faculty Development ◇看護学研究科 「FD活動報告」 た。大学院のFD活動は、教員の研究能力に重きをおいて企画している。 今年度のFD研修は、昨年度のアンケート結果をふまえ、高いエビデンスレベルの研究実践のためにテーマを「システマティックレビューの基礎」とした。講師は、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻、看護実践開発科学講座、准教授山川みやえ先生に依頼しリモートで開催した。参加者は29名、欠席者を対象に講師の承諾を得て講義動画を配信した。講義は、量的研究においても、n=1からn=1に帰結すると看護実践で一人一人を重視された研究姿勢に触れられ、研究課題を定式化するPICO、文献検索の方法、システマティックレビューの意義やエビデンスに基づく看護実践サイクルの中の位置づけなど基本のわかりやすい解説であった。研修アンケートの結果、テーマ設定は「良い」68.2%、「どちらともいえない」22.7%、「あまり良くない」9.1%であった。講義内容は、「よく理解」13.6%、「概ね理解」81.8%、今後「活用できそう~まあ活用できそう」68.2%であった。自由記載から、文献クリティ-クの重要性を再認識でき、システマティックレビューの難しさを痛感したが、今後の研究に活用したいという意見の一方で、システマティックレビューの概要が基礎的であったので、実際のデータ収集や分析で困ったこと、苦労したことを聞きたかった、テーマを焦点化しシステマティックの具体的方法が知りたいという意見が認められた。 今回のテーマ設定や内容については、各々教員の研究経験やレディネスに差があるため一概には評価できないと思われるが、今後も「システマティックレビューの実践編」として深められる機会を希望する声があったため、今後、継続したテーマでの開催も検討していきたい。 看護学研究科 小松光代 大学院看護学研究科が開設されて5年目となり大学院博士課程(後期)が完成年度を迎え90

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