FDreport_vol16
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Faculty Development 部) 「抗菌ペプチドによる非メチル化CpG DNA応答の増強に関わる細胞内シグナルの解析」 ・第95回日本生化学会大会 (2022年11月、名古屋) 若手優秀発表賞 「マクロファージ様細胞株の非メチル化CpG DNA応答を増強するα-ヘリックスペプチドの性質解析」 以上のように、川崎清史先生は大学院生の教育を通じて「基礎研究を臨床へと応用する」「治療・薬の開発につながる」研究を日々実践しておられます。加えて、上記のような優れた研究成果は、川崎清史先生から指導を受けた大学院生の不断の頑張りの賜物ともいえるでしょう。 それでは次に、川崎清史先生が微生物薬品化学研究室で実践されている日々の大学院生への研究指導に関してお話を伺いたいと思います。 Q:微生物薬品化学研究室でのモットー(研究信条)は何ですか。 A:学生が「研究とは何か?」との問いに対する答えを自分で持てるようになることが大切だと思っています。そこで、研究の楽しさや大切さがわかるような指導を心がけています。論理を大切にして研究を進めることで、美しいストーリーが描けるようになりますが、その論理の美しさを学生が感じ取れるようになることが目標です。 Q:大学院生の研究テーマの決定はどのように行われていますか。 A:実験を進める中からいろいろと課題が生まれてくるので、その課題を解くような形で研究テーマを探っていきます。 Q:大学院生との研究に関するディスカッションはどのように行われていますか。 A:生データに基づいて議論をします。そして、その実験で分かったことと足りないことを明確にして、次の実験を考える、この繰り返しにより研究を進めていきます。また、論文の作成においては、さらに多面的に議論します。 Q:大学院生は、より能動的に研究活動をすることが必要となりますが、そのためにはどのような指導が必要とお考えでしょうか。 A:大学院生は少なくとも「研究をやってみたい」との気持ちを持って進学しています。その気持ちが継続できれば、大学院生は日々成長しているので、初めは物足りなくてもだんだんと能動的に研究を進められるようになります。研究の大切さや楽しさがわかるような指導が、能動的研究を促すと思います。 88

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