FDreport_vol16
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Faculty Development ◇薬学研究科 「大学院FD・大学院教育への取り組み・研究室紹介:微生物薬品化学研究室」 薬学研究科医療薬学専攻(4年制課程)は2012年に開設され、高度化した薬物治療における医療と創薬科学をつなぐ医療薬学の研究・実践によって、難病の克服や医薬品の安全使用などの社会的要請に応え、大学・研究所、医療機関、民間企業や地方自治体で医療薬学の充実や指導者として社会に貢献できる人材の育成を目的としています。今回は、微生物薬品化学研究室を紹介したいと思います。 現時点で、8名の博士(薬学)を育成してきましが、そのうち3名の博士(安藤美奈子博士、中川詩織博士、西原冴佳博士)が微生物薬品化学研究室主宰の川崎清史教授のもとで輩出されました。 それでは、川崎清史先生、先生の研究テーマを簡単にご紹介ください。 自然免疫の分子機序の解析を通じて医学薬学に貢献することを目的として研究活動を行っています。特に細菌に特有の成分であるエンドトキシン(リポ多糖)などに対する生体の自然免疫応答や、自然免疫の宿主側エフェクター分子である抗菌ペプチドの機能解析に焦点を当てて研究を進めています。このような研究が新しい自然免疫調節物質や抗菌剤の開発につながると考えています。また、抗菌ペプチドを豊富に含む昆虫を創薬資源とする研究にも取り組んでいます。 このように、微生物薬品化学研究室では自然界の多細胞生物に存在している抗菌ペプチドは自然免疫を担う生体防御物質であるとともに、宿主に対しても様々な生理活性を示すことに着眼し、それらを豊富に含有する昆虫などを資源とした、有用ペプチドの探索と医薬品につなげる基礎研究を、川崎清史先生を中心に精力的に進められておられます。また、これまでに修了された薬学研究科医療薬学専攻博士課程の大学院生は3名おられますが、そのうち、安藤美菜子さん、西原冴佳さんは以下のような学会賞や褒賞を得ておられます。 安藤美菜子 ・日本薬学会第138年会 (2018年3月、金沢) 学生優秀発表賞 (ポスター発表の部) 「キズ付け刺激によって発現誘導されるイエバエ抗菌ペプチド遺伝子」 西原冴佳 ・2018年度日本薬学会長井記念薬学研究奨励支援事業採用→2022年度返還免除 (学位取得 「非メチル化CpG DNAによる自然免疫応答を増強する抗菌ペプチドに関する研究」) ・日本薬学会第142年会 (2022年3月、オンライン) 学生優秀発表賞 (ポスター発表の薬学研究科長 芝田 信人 87

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