FDreport_vol16
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Faculty Development ◇国際社会研究科 「国際社会システム研究科の FD 活動」 国際社会システム研究科では、国際社会と国際交流に関する知見、及び現代社会の諸領域についての宗教学的、社会学的、心理学的、教育学的知識を学ぶことにより、国際問題や現代社会に関わる問題についての理解力と解決力を身につけ、国際的にまた、多様な領域で活躍できる人材の養成に力を入れている。こうした人材を育成する上で、重視しているのが、国や文化を越えた共生社会の構築に資する知見の探求である。「国際協力と国際交流」(文化・経済・環境政策面での国際協力と国際交流)「現代社会と文化」(各国・各地域の文化的多様性と社会の調和)「現代社会とこども」(教育的な面からの現代社会とこどもの関わり)という三分野を設定し、これら三分野にわたる総合的知見を身につけた研究を進展させることで、高度な職業的専門人を育成することを教育目的としている。 この教育目的に照らし、2019 年度から研究科委員会の会議後の春と秋の2回、 FD 研修会を行っている。2022 年度は、統合的な指導に活かすために、大学院生のそれぞれの履修状況や研究課題、研究の進捗状況について、直接の指導教員とともに全教員が情報共有し、大学院生の現状と今後の研究計画を把握した。2022年11月には、修士論文中間報告会が、ラーニングコモンズ・イベントエリアにおいて開催された。当日の参加者は、修士課程2年の5名の大学院生と、修士課程1年の大学院生、学部学生および教職員であった。修士課程2年の5名からの中間報告に対して、教員から助言とともに学生間の活発な質疑応答もなされた。大学院生の修士論文指導とともに、それぞれの各大学院生の研究の進捗状況を把握する機会となった。さらに大学院生の研究進捗状況をより細かく把握するために、中間報告会に加えて、2020 年度より毎年 1 月に「研究進捗状況報告書」を大学院生に提出させている。この報告書に基づき、全教員がすべての在学生の研究内容を把握することにより、教育の質を高めることに役立てている。 今後の課題としては、国際社会システム研究科では、指導教員の研究方法論も専門とする領域も多岐にわたることから、修士論文提出時における研究科共通の形式を整えていくことがあげられる。国際社会システム研究科としては、FD 研修会を継続しながら、上記の「研究進捗状況報告書」を活用し、さらには教員間の連携をはかりつつ、学生のニーズや状況に合わせた丁寧な指導を今後とも行っていくこととしている。 国際社会システム研究科長 日下 菜穂子 86

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