力を身につけさせる教育こそが大事ではないかとの認識を深めた。 ④ 良好な人間関係で、組織力を高める(2021年度) 大学は組織であり、良好な人間関係を築くことは組織力を高めると題し、良好な人間関係を築くための行動・思考について研修を行った。その中で、アメリカ大リーグで活躍中の大谷翔平選手が、高校生時代に使用したという、目的を達成するための曼荼羅チャートを模倣し、薬学部の組織力を高めるための曼荼羅チャートの説明を受けた。また、組織運営を良くするためにPDCAサイクルを回すことが重要と言われているが、それには2通りあって、過去のデータや経験を基に反省・改善を行い、問題解決のための工夫を提案して実行するフォアキャスティングの概念と、未来のあるべき姿を見据えて現在とのギャップや問題点を検証し、問題解決のための工夫を基に実行するバックキャスティングの概念が示された。前者では地道な改善ができるが、歩みは遅く、大きく成長を遂げるためには後者のバックキャスティングを実行することが時には必要であるとの認識に至った。 ⑤ どのような薬剤師を育てたいか(2022年度) 2024年度から、薬学新コア・カリキュラムが施行される。これからの社会的ニーズに貢献できるよう、新コア・カリキュラムには、臨床実践力・教育指導力・研究探求力を備えた薬剤師を育成することがさらに強く盛り込まれる。また、平成29年4月1日の学校教育法施行規則改訂を機に、薬学教育の質的転換を図りつつ、新コア・カリキュラムのための3つのポリシーを新たに策定して公表し、DPを達成するための評価基準を決定する必要もある。そこで、本学薬学部では「どのような薬剤師を育てるか」についてSGDを行い、本学の教育理念に基づく薬学部DPを作成するための研修会を実施した。育成したい薬剤師像のプロダクトとして抽出されたフレーズを2、3示すと、「キリスト教主義教育により、患者本位の高い倫理観を持ち、自己研鑽を習慣つけることができる」、「国際主義教育とリベラル・アーツ教育により、他人を理解することができるコミュニケーション能力で多職種と信頼関係を築くことができる」、「相手を理解し、立場の違う人の考え方を尊重できる」などが抽出された。これらを基に、薬学新コア・カリキュラムに対応する薬学部DPを策定する予定である。 82 Faculty Development
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