FDreport_vol16
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学芸学部のFD活動の全体を俯瞰する特筆すべきは、結果として多くのPBL事例を取り上げていたことである。これは、21世紀型スキル(Assessment and Teaching of 21st Century Skills)において示されたように、時代に対応した「学習者中心」「学習過程重視」の教育が求められていることを反映していると思われる。言うまでもなく、プロジェクトには企画から設計、制作準備、制作を経て発表へと至るプロセスに多くの思考や行動が内包されており、豊かな学びを経験することができる。例えば、プロジェクトの重要な局面においては、クリエイティブ・シンキング(リサーチ&ブレストなどによる拡散的思考)、ロジカル・シンキング(ディスカッションなどによる集約的思考)、クリティカル・シンキング(問題発見のための批判的思考)を使い分けながら取り組むことが必要である。どちらかといえばロジカル・シンキングに偏りがちな学校現場にあって、これら3つの思考を活用する機会を含むPBLは、問題発見・解決の能力を鍛えるための教育プログラムとして大変優れていると考える。 最後にFD活動の今後の課題として、教養教育や共通英語教育のあり方、単位制(1単位45時間)と卒業要件(124単位以上)の適切性、教育と研究のエフォートや役割の適切性、挑戦的な取り組みに対する資金援助等のサポート、授業資料の作成や情報発信等のサポート、研究テーマのプレゼンテーション「国際教養演習」 79 Faculty Development

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