FDreport_vol16
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70 「看護学部FD活動2015-2021」 看護学部は、2015年に開設され7年が経過しました。これまでのFD活動の概要を図1に示しました。 2015年は、初めての臨地実習にあたり、新任教員への準備教育と教員間のコミュニケーションの深化を図ることを目的として、看護学実習準備プロジェクトに取り組みました。実習指導困難場面におけるシミュレーションや看護OSCE勉強会を行いました。2016年は、学生が受講しているキャリア教育についての理解を深めるために、1、2年次の特徴を理解した上で、「学生の意欲や能力を育むために教員としてできること」についてグループワークを行いました。2017年には、学生も3年次まで増え、その当時の学生は「さとり世代」と表現されていました。秋学期に控えた17単位の実習を前に、教育の困難さや疲弊を感じることが多かったことから、具体的な事例を共有しながら、現代の学生にどう向き合い、看護を教えるかを考えました。このように、開設から3年間は、教員の教育実践力をテーマに取り組みをすすめてきました。 2018年は、厚生労働省で看護基礎教育検討会がスタートし、第5次看護基礎教育カリキュラム改正という看護基礎教育の一つの転換期を迎えようとしていたことから、検討会のメンバーを講師に迎えて、最新の情報や動向を拝聴しました。2019年は、カリキュラム検討の準備として、「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業到達目標の活用」の研修会の伝達講習を受け、先進的な取り組みを共有しました。2020~21年は、コロナ禍でどのようにFDを進めていくかを思案しているなか、「カリキュラム編成準備セミナー」が、リアルタイムでの配信に加え、アーカイブ動画も視聴できることから活用しました。セミナーは各回3時間半、年間5回というボリュームがありました。先生方からは「今後の教育・授業設計に役立つ」「教育への活用が期待できる」「自分の予定に合わせて視聴できた」「長期間設定は受講しやすかった」等の感想があり、指定規則改正に関する考え方や取り組み例の紹介は、非常に参考になりました。この4年間は、2022年からのカリキュラム改正をテーマに取り組みをすすめてきました。 2018年の研究科開設後は、研究科においてもFD活動に取り組みました。博士課程(前期)では、看護理論と実践に基づいた研究能力やエビデンスとナラティブを統合できる看護実践能力をめざしていますので、2018年は「臨床におけるナラティヴ実践のすすめ」をテーマとしました。講義に加え、ロールプレイでは「相談者自身の物語をきく」ことを体験しました。2020年からは、教員の研究能力の向上を目的に、KJ法を基盤とした質的統合法を取り上げ、「質的統合法の看護研究への活用の基礎や適用可能性」の基礎を学び、2021年度は、実践編として、模擬データを用いた分析手法とコツについて、グループワークで理解を深めました。 看護学部 眞鍋えみ子 Faculty Development

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