FDreport_vol16
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金金子子 それは、私には答えは分かりません。スタンダードな答えは、アカデミックな人だけではなくて、一般の人が取って、見られるものを考えることです。例えば、主婦であるかもしれません。もう一つ、非常によくある、あちらこちらで試されていることは、中学校、あるいは小学校の英語の先生に対する、教育免許の補充はなくなりましたが、先生の再教育、それはあるだろうと思います。あとは、実用教育です。でもこれは、決定的に中のリソースは何があるかということによるのです。中のリソースをどのように使うかということが、まず重要だと思います。それで納得していただいて、そういったことを担当する先生の方にやっていただくように、やるのではないでしょうか。それから、私は、これを言ってはおしまいかもしれませんが、大学院はなければいけないものだとは思いません。学士課程をしっかりやるということの方が重要かもしれません。 秦秦 また最近、改革の方向性として、大学院間連携や研究指導委託などが考えられているということを、耳に挟んでおりますが、こういうものを使っていくということに関して先生はどのように思われますか。 金金子子 指導委託などは、やれる見込みがあればやればいいのではありませんか。でも、指導委託は問題です。授業料は自分のところで取って、他の先生に委託するとは、どうなのですか。大学院間連携は、相手が問題です。やれるという制度になりましたが、むしろ、問題だと思います。それより多分、一般的に文系の問題は、先生によって分かれてしまうということの方が、はるかに問題の場合が多いです。大学院だからもう、どの先生につくという、これがいいのかどうかということが、非常に大きな問題だろうと私は思います。特に修士課程の場合です。やはり、大学教員間の協力などは、そういったことが、むしろ重要なのではないでしょうか。今までのところはむしろ、そちらの方が、聞いている範囲では問題になっています。 秦秦 もう1問、質問が来ております。教員からの質問です。「コロナ禍が終わったら、元に戻るのではなく、コロナ禍の授業を見直すという点に、特に感銘を受けました。一方で、先生がおっしゃった教室外学習を、教員も学生も必要ないと考えている点について、質問があります。これは、教員はそのようにしたいが、日本型大学のカリキュラムは、授業回数が多すぎてできないのではないでしょうか。アメリカでは、同じコースを週に2回、または、2時間連続の授業を行っているところが多いです。そのため、教師もその学期、その授業に集中できますし、学生も受講するコースが三つから四つに限定されるので、授業外学習も十分にとることができます。この点について、先生はどのようにお考えになりますでしょうか。日本では、このようなシステムを取り入れても、授業外学習時間は増えないでしょうか」、という質問です。 66 Faculty Development

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