FDreport_vol16
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遠隔でも面倒を見られるのです。それで、初めて儲かるわけです。そうではない場合に、今いる先生で遠隔の部分だけ増やしたら、それは、負担増だけです。それで先生を雇ったら、多分、全くペイしません。 大学は、新しいことをやろうと思ったらコストがかかるわけです。コストをかけて、どのようなメリットがあるのか。あるいは、どのような需要があるから、こういうことをやってコストを調達するのかという発想をしないと、もう今はやっていけない時代といいますか、元々は、18歳で入ってくる子が大部分で、その子たちは、大学とはこういうものだと思っているから、ごまかしていましたが、そうはいかなくなったときにどうするのかということが、今、問われていることです。遠隔で、どうにかなっている問題ではありません。遠隔は重要な道具で、非常に使い手があるということは分かりましたが、遠隔を含めてどうするかが問題だと、私は思います。 秦秦 ありがとうございました。それと関連しての質問ですが、本学、「同志社女子大学には設けられていないのですが、大学にはIR部門が非常に重要だと考えていますが、IR部門に関しまして、先生のお考えをお聞かせ願えないでしょうか」、という質問です。 金金子子 IRは、やらなければいけないのではないでしょうか。ただ、小規模の大学が、独自にIR部門を持つことは大変です。基本的には、どうやって実現するかという問題だと思うのです。職員の方に結構関心のある方と、それから、教員で関心のある方と、立ち上げていくしかないのではないでしょうか。例えば、今、文科省が学生の学習時間について調査をやりまして、データを各大学に配っています。同志社女子大学では、どのような調査をやっているのか分かりませんが、データは結構、出てくるようになっているのです。あるいは、例えば今、マイクロソフトでアンケート調査だけをやるのであれば、結構簡単にできるようになっているわけです。要するに、それはもうやる気です。やる気のある先生と、職員の方がどれくらいいるのかということです。構えて、IRだからこうやらなければいけないということは、実は、もうむしろなくなっていると私は思います。興味のある方は、やれる範囲でやるということが重要だと思います。 秦秦 では、最後の質問ですが、「本学の大学院は、院生数はあまり充実していないのですが、同志社女子大学のように、中堅女子大学の大学院に求められていることは何だとお考えですか」、という質問です。 金金子子 何が充実していないのですか。 秦秦 本学の大学院の院生数があまり多くなく、大学院が充実しているとは言い兼ねる、ということです。 65 Faculty Development

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