私どもも少し驚きましたが、活用すべきだという回答が非常に多かったのです。一番大きいことからいきますと、メールによる質問ということがよかったと、やはり、授業の中で、「質問しなさい」といくら言っても、なかなかしにくいのです。それから、教育間の協力がよかったと、これは、遠隔授業をやるときは、こういうことに強い先生と、そうではない先生がいるわけです。私も強いわけではありませんが、互いに教えざるを得ないという局面が出てきて、みんなで教え合い、それがよかったのです。しかし考えてみて、これもおかしくて、本来は、授業内容については、それほどすり合わせはやっていないのでしょうか。課題地獄という言葉が出まして、要するに、先生方がみんな課題を出すものだから、課題がたくさんになって、学生が参ったという話が、あちらこちらに出ました。考えてみると、先生の間で、すり合わせをしていないのです。今までやっていなかったのでしょう。そういう意味で、カリキュラムはあるのですが、日本のカリキュラムは、どの先生がやるというだけで、授業内容についての調整は、あまり本格的にやってこなかったのではないかという気がします。 それから、授業予定を明示することがよかった、これも、先生は、自分の頭の中にかなりあるのでしょうけれども、客観的に前もって見せるというようなことをしていなかったのではないでしょうか。それから、課題もやはり、あまり出していなかったのです。キャンパス外向けの授業と、自宅でも取れるような授業もやろうと思えばできて、それほど効果がないわけではないということです。授業後のビデオ視聴も、活用するべきだという先生もかなりいます。特にこれは、理系で非常に多いです。かなり定型的な内容を、繰返し見るような場合には、授業の外で、倍速で見るというようなことを学生はやっていて、これはむしろ、学習としては効率的なのです。というようなことが可能であると分かりました。 そういう意味では、非常にいろいろな点で、これまでの授業で欠けていた点が明らかになったと思うのです。 53 Faculty Development
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