はよく聞こえていなかったのです。聞こえていなかったということは、大体どこの大学でも、今、音響設備を気にして、非常にいい設備を入れて、聞こえないことはないのですが、大教室や中教室ですと、距離が遠くて、あまりアテンションが強くないのです。遠隔ですと、疑似的ですが1対1になってしまうのです。よく聞こえるのです。それから、質問も後でメールなどでできますから、むしろ質問しやすくなったと言っているのです。今までの授業は、対面でうまくいっていたかというと、必ずしも授業の全体像が伝わっていたわけではないのです。それから、学生の反発を恐れて、課題をあまり出していなかったのです。もう一つ大きいことは、教員間で授業計画の連携をあまりやっていなかったと思われるところがあります。 これは、次のことにも関係するのですが、遠隔授業のメリットはどこにありますかと聞いてみますと、左から、そう思う、ある程度そう思う、そう思いません。 遠隔授業のメリットは教室外でもできると、これはあたりまえです。あとは、学生が教材をみている、授業内容・目標を明確にした、授業の透明性が増した、質問が多くなった、課題を出す抵抗が少ないというところで、考えてみると、こういうことは元々、本来の授業でやっているべきことだったものが、むしろ、遠隔授業でできるようになったという評価が多いのです。最後の、課題を出す抵抗が少ないというところは、要するに、学生の顔を見ていると、宿題を出しにくかったということなのかもしれません。これも、考えてみると、一種の呪縛が非常に、元々あったというように思うわけです。 遠隔授業のメリット、ただ単に、ズームなどを使ってできるということを、やろうと思えばできるということを示しただけではなくて、柔軟な授業でやれるべきことをやっていなかったところは、かなり提示できるということが分かりました。 51 Faculty Development
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