2.最近の動向 その中で、最近何が起こっているかということなのですが、この3年間にかなりいろいろなことが起こっているのです。 少し並べただけでもずらりと、コロナ禍が2020年の春から起こっています。それから、大学「無償化政策」というものが、これは2018年の選挙で公約したのですが、昨年度から実施されて、今年も実施されています。皆さんはあまり、そうかと思われるかもしれませんが、いくらお金がかかっていると思われますか。これは、6,000億なのです。日本の私学に対する助成の2倍近い金が、実はガバっと出たのです。そういうことが起こっています。それから、入試改革が非常に騒がれました。これは、去年実質的に断念されました。これについては、今日は申し上げません。 それから、私大のガバナンスに対する改革についても、非常に問題になりました。日大の事件なども途中であったということもありますが、いろいろなことが、これも改革の試みをやったのだけど、中断しました。最近といいますか、これは元々2018年の中教審答申「高等教育のグランドデザイン」ということで提起されたのですが、それは、大学設置基準の改正に結びついて、まだ国会に上程されていませんが、秋くらいまでには上程されるのではないでしょうか。もしかしたら、来年になるかもしれません。今日、お話したいことに直接に関係することは、コロナ禍の問題ともう一つ、設置基準改正ということが、これは大学教育にどのような問題を投げかけているのか、少しだけ見るとよく分かりませんが、これは非常に大きな問題を掲げていると思うので、この二つを特に注目しつつ、次にお話したいと思います。 最初に、コロナ禍ですが、初めは、社会の側は、要するにコロナ禍が起こって遠隔授業になったから、早く遠隔授業をやめろと文科省が通達をして、早く通常の授業に戻れというようなことを言い出していたわけです。実際何が起こったかといいますと、面白い話で、一つは、実は学生の方はかなり学習時間が増えたのです。もう一つは、比較的評判がよか49 Faculty Development
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